[ベトナム] 世界銀行:ベトナムの経済状況さらに改善

2021/12/27


世界銀行は、「ベトナム・マクロモニタリング」12月版を発表し、ベトナムの経済状況は改善を続け、工業生産も小売販売も3か月連続で成長したと述べました。



商品の輸出は、過去最高の319億USドルを記録、2か月連続の貿易黒字に貢献しました。一方で、FDI(外国直接投資)は10月にやや落ち込んだのちに回復しました。



11月の新規設立会社数は、前月比45%増となり、5月以来の増加となりました。解散した会社数も増えましたが、新規設立数のペースを下回っています。



世界銀行は、事業を再開した企業も増えたことに加え、会社数の純増もまた経済状況の改善に寄与している可能性があると述べています。



燃料価格の高騰によりインフレが進みました。非食品の内需が回復、物流コストが上がりました。一方で、貸付残高は安定的で、景気回復を支えるための潤沢な流動性を保っています。11月、消費者物価指数(CPI)も、2か月連続で下がったのちに、前月比で0.3%増加しました。



食料品のサプライチェーンはしっかり管理されていることで、食料品価格は下降線をたどり、前月比で0.2%低下しました。



1年前と比較すると、CPIは前年同期比で2.1%上昇し10月よりやや高くなりましたが、ベトナム国立銀行が設定している4.0%目標の半分くらいで留まっています。



▼消費者物価指数の推移(出所:世界銀行



政府は緊縮的な財政スタンスを保ちました。レポートでは、力強い歳入の増加に支えられ、11月も財政黒字となったと述べられています。



「ウィズ・コロナ」の政策を掲げ、ベトナムは、警戒を続け、ワクチン接種や社会的隔離措置、検査、隔離などの素早いアクションをとっていくことになります。世界銀行は、民間需要を後押しし、国内経済の回復を助けるためには、財政政策の支援が必要なのは明らかだと考えています。影響を受けた労働者や世帯に対する財政支援の実施は、必要不可欠な道であるともレポートでは述べられています。



さらに、レポートでは、財政的に余裕があること、2021年の予算実行が困難であったことを考えると、民間消費を支えるために2022年の付加価値税の減税の検討も選択肢としてあるだろうと述べられています。



(出所:Vietnam Plus