[ベトナム] 2022年の政府の成長目標は実現可能

2022/01/17


ベトナムの堅調なマクロ経済のファンダメンタルズは、ベトナムが、今後も中長期的に、魅力的な投資先であることを示しています。



国内外の専門家が、ベトナム政府の2022年のGDP成長目標6~6.5%は実現可能であるが、既存のボトルネックに対応するためにはかなりの努力が必要だとしています。



波乱万丈な2021年を受けて、世界銀行の主任エコノミスト兼ベトナムのプログラムリーダー、ジャック・モリセット氏は、ベトナムのGDP成長目標について、パンデミックを効果的に制御し、需給のバランスを確保できれば、実行可能であると述べています。



モリセット氏によると、ベトナムは2021年、供給面を押し上げるために抜本的な対策を取ったことで貿易活動においてプラスの結果となり、年間売り上げは6,600億USドル、対前年で21%増となったということです。



2022年、モリセット氏は、ベトナムは、追加の財政支援プログラムも含めて、国内消費の刺激に注力すると予想しています。



ベトナムの公的債務がGDPの44%と、国会で設定されている上限60%を下回っていることから、モリセット氏は、ベトナムにさらなる需要刺激のための財政政策を取る余裕があると見ています。



アジア開発銀行(ADB)は、最新の経済見通し予測レポートの中で、2021年末に大きな感染の波がないこと、2022年前半でスピーディーなワクチン接種が行われることを前提に、ベトナムのGDP成長率が2022年に6.5%に回復すると予測しています。



HSBCベトナムのティム・エヴァンスCEOは、堅調なFDIの回復に推進され、6.8%成長に達する可能性があると、さらに楽観的な見方をしています。



一方で、中央経済管理研究所(CIEM)のレポートでは、ベトナムの堅調なマクロ経済ファンダメンタルズは、ベトナムが今後も中長期的に魅力的な投資先であることを意味していると述べられています。



CIEMのレポートはさらに、ベトナムがパンデミックに対応するための主な解決策として、ワクチン戦略に優先順位を置いてくるだろうと予測しています。



「柔軟に財政・金融政策を組み合わせること、特に小規模事業や個人の世帯向けのものが重要だ」と述べています。



また、CIEMは、ベトナムが公共投資や既存の経済再編成の過程において、さらなる効率を保証することが必要だとして、制度・行政改革におけるデジタルトランスフォーメーションは必須だと述べています。




■主な成長の推進力は


世界銀行は、米国、EU、そして中国を中心とした力強い世界経済の回復が、ベトナムの輸出の需要の伸びにつながると述べています。



ベトナムの成長をけん引するもう一つの推進力は、内需です。特に、急速に拡大するミドルクラスが、国の経済発展の基礎となるだろうと世界銀行は予測しています。



国家経済社会予測情報センター(NCIF)の副ディレクター、グエン・シュアン・クアン氏は、2022年のベトナム経済の発展を後押しする5つの業種として、政府の公共投資推進の恩恵を受ける建設業、電子、衣料品、漁業、木工製品、鉄鋼の輸出に貢献する業種、飲食・小売・航空、Eコマース・物流、ITを挙げています。



政府の国家財政金融政策諮問委員会のメンバーである、エコノミストのカン・ヴァン・ルック氏は、ベトナムがCovid-19戦略をパンデミックへの柔軟かつ安全な適応へとシフトさせたことが、ベトナムの2022年の力強い経済成長を保証する主要な要因だと述べています。



ルック氏は、ハノイタイムズ誌に対して、適切なCovid-19戦略と高いワクチン接種率がベトナムのGDP成長率を7%にまで押し上げるのに役立つだろうと話しています。



2021年の第4四半期のハノイの地域総生産は、対前年で6.69%増、通年では2.92%と予測されています。




(出所:Hanoi Times