[フィリピン] 2019年前半期Calaba(カヴィテ/ラグーナ/バタンガス)不動産市場概況

フィリピンを代表する不動産コンサルタント会社JLLは、7月末に2019年第2四半期の不動産市場レポートを発行し、2019年第2四半期のメトロマニラ、セブ、ダバオの不動産市場と、2019年前半期のカラバ(カヴィテ、ラグーナ、バタンガス)の工業用地市場についてのリサーチを発表しました。最後に、2019年前半期のCALABA(カヴィテ/ラグーナ/バタンガス)の工業用不動産を見ていきましょう。

CALABA(カヴィテ、ラグーナ、バタンガス)
工業不動産市場概況(2019年前半期)


(1) 供給

2018年以降、特に既存の工業不動産供給に目立った追加はありません。一方、バタンガスにあるAG&Pの特別経済区2の完成が2019年後半期に見込まれており、これにより工業用地が約40ヘクタール追加となります。

2019年前半期時点で、既存の工業団地の大半はバタンガスにあり、総供給量のうちの38%を占めました。バタンガスでは、今後3年間で工業用地のさらなる開発が進む予定で、シェアを63%にまで引き上げる見通しです。

工業用地累計では、ファースト・フィリピン・インダストリアル・パーク社が、バタンガスの開発で、他社を引き抜いています。これに続くのが、リマ・ランド社、ラグーナ・テクノパーク社です。一方、フィリンベスト・ランド社が今後3年間の工業団地を手掛けるデベロッパーをリードする見込みで、今後の供給量の42%を占めるとみられています。


(2) 需要のけん引要素

カヴィテ、ラグーナ、バタンガスの工業団地の平均稼働率は、2019年前半期で97%でした。ラジオ、テレビ、通信機器産業の企業が、過去6か月間では主に需要をけん引しました。今後このエリアの見通しは明るく、稼働率はさらに増加する見込みです。その要素は以下の3つです。

一つ目は、カヴィテ、ラグーナ、バタンガスと近隣エリア、特にメトロマニラとを結ぶインフラシステムの改善です。輸送システムの改善と地価の上昇を受けて、多くの外国投資を呼び込むとみられています。

二つ目は、インターネットを通した取引が増えるにつれ、配送センターを必要とする企業も増え、工業用地の需要が大幅に上がることです(すなわち、倉庫用スペース)。結果として、物流業はe-コマースの発達の恩恵を受け、施設の拡大を計画しています。

三つ目は、製造業がその力を取り戻しつつあることです。フィリピンの製造業は、上向きな景気と事業拡大に見られるように、他のASEAN諸国をしのいでいます。これにより、工業用地の需要が刺激されるとみられています。


(3) 倉庫賃貸料および土地の価格

倉庫賃貸料はバタンガスが最高を記録しており、月々平米あたり220ペソから320ペソ(約450円~660円)となっています。一方で、倉庫賃貸料の最低を記録したのはカヴィテでした。カヴィテ、ラグーナ、バタンガスの平均倉庫賃貸料は、成長する物流セクターに支えられ、対2018年後半期で1.6%増となりました。

工業用地の価格は、カヴィテで最高を記録し、平米あたり5,000ペソから最高では7,500ペソ(約10,310円~15,460円)となりました。一部の開発では、販売用の土地の不足から、高い需要を背景に、上向きの圧力がかかりました。カヴィテ、ラグーナ、バタンガスの平均販売価格の成長率は、対2018年後半期で1.3%増となっており、これはカヴィテーラグーナ高速道路(CALAX)など同エリアでインフラ開発が完成することから、今後さらに増加する見通しです。


(出所:Business Inquirer