2022/08/10
2022年第2四半期、世界的な向かい風と迫りくるインフレーションの波が見通しに影を落とす中、インドネシアは5.4%成長を記録しました。
インドネシア経済は、2022年第2四半期、市場予測の5.1%を超え、5.4%成長を遂げました。2022年前半期では、成長率は5.2%となりました。オランダに拠点を置くING銀行は、輸出セクターの復活に支えられて家庭の消費が堅調なことから、前半期の成長率は5.4%に達すると予測していました。比較的インフレが制御可能な範囲に留まっていることから、家庭の消費は好調です。
消費は食品や燃料に集中しているものの、小売販売も拡大を続けています。消費者は、耐久性のある設備や通信その他の物品の購入を延期する傾向にあります。一方で、輸出は、ウクライナの紛争から恩恵を受ける形となっています。石炭の価格が上昇していることで、前半期は大幅な貿易黒字となりました。
インドネシア銀行のワルジヨ総裁は、7月21日の政策会議で、世界経済の成長率の減速を脅威だとしています。インドネシア銀行は、年間の成長率の予測を据え置きましたが、通年のGDP成長率は、予測4.5%~5.3%の下限あたりで落ち着くだろうと述べています。世界経済の減速は、特に、成長率の減速が石炭価格に反映されると、今後の輸出の成長率見込みにも重くのしかかりそうです。国内では総合インフレ率が上昇を続けることで、家庭の消費の勢いを弱め、GDP全体の足を引っ張ることになりそうだとING銀行は述べています。
インドネシア銀行は、今のところ、コアインフレが制御可能な範囲にあるとして、利上げには冷静な対応をしています。これは世界経済の減速の巻き添えを食らう可能性の緩衝材として働きそうです。ING銀行は、加速するインフレと合わせて、いずれインドネシア銀行が利上げを行えば、インドネシア経済を減速させるとして、通年のGDP成長率は4.6%に落ち着きそうだと予想しています。
(出所:ING銀行)
(画像:Photo by Afif Kusuma on Unsplash)
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