[マレーシア] クアラルンプールのハイエンドレジデンシャル市場は今年改善の見込み

住宅および商業用不動産コンサルタント会社のナイトフランク・マレーシアは、2019年後半6か月に販売開始した一連のプロジェクトが、クアラルンプールのハイエンドレジデンシャル市場の回復に貢献しているとしています。

[マレーシア] クアラルンプールのハイエンドレジデンシャル市場は今年改善の見込み



クアラルンプールのハイエンドレジデンシャル市場は底入れしたでしょうか?


住宅および商業用不動産コンサルタント会社のナイトフランク・マレーシアは、2019年後半6か月に販売開始した一連のプロジェクトが、クアラルンプールのハイエンドレジデンシャル市場の回復に貢献しているとしています。


■2020年注目の物件は

同社は、その最新のレポート「不動産ハイライト2019年後半期(Real Estate Highlights 2nd Half of 2019)」の中で、コア・レジデンス@TRXなどのプロジェクトがクアラルンプールの市場回復を助けているとしています。コア・レジデンス@TRXは、クアラルンプール中心部、在マレーシア日本大使館からもほど近いエリアに、金融特区として指定されたTun Razak Exchange(トゥン・ラザク・エクスチェンジ、以下TRX)にあります。


コア・レジデンス@TRXは、コア・プレヴィアス・デベロップメント社(Core Previous Development Sdn Bhd)社によるプロジェクトです。同社は、マレーシアの建設大手WCTホールディングスと、中国の中国交通建設集団有限公司との合弁企業です。


この14億マレーシアリンギット(約372億円)をかけるハイエンドのフリーホールドプロジェクトは、2019年11月に販売開始、1.65エーカー(約6,677㎡)の敷地に合計700戸のサービス付レジデンス3棟から構成されています。ユニットの価格帯は、144万マレーシアリンギット(約3.829万円)~248万リンギット(約6,595万円)となっています*。


さらに2019には、TRXエリアにはムナラ・プルデンシャル(Menara Prudential)、エクスチェンジ106(Exchange 106)といった建物もオープンし、注目が集まっています。


ハイエンドレジデンシャル市場の取引はこれだけではありません。2019年後半期に公開されたその他のプロジェクトには、イースタン&オリエンタルと三井不動産の共同開発「コンレイ」、アジャイルグループホールディングスの「アジャイル・エンバシー・ガーデン」、TAグローバルの「ALIXレジデンシーズ」などがあります。


アジャイル・エンバシー・ガーデンは、3.06エーカー(約12,383㎡)の英国大使館跡地にあります。3つのブロックから構成される高級サービスアパートで、ユニット数は1,296戸となっています。


ALIXレジデンシーズは、モント・キアラの北に位置するドゥタマスにあり、2019年6月に販売開始されました。このプロジェクトは、35階建てと22階建てのコンドミニアム2棟構成で、総戸数は364戸、1,012平方フィート(約94.0㎡)から6,544平方フィート(約607.9㎡)のサイズのユニットを提供しています。


これらの新規発売物件は、平均して平米あたり約20,452リンギット(約54万円)~23,680リンギット(約62万円)で販売されています。コア・レジデンスの平均販売価格は平米あたり23,680リンギット(約62万円)、コンレイはおおむね平米あたり約22,066リンギット(約59万円)となっています。


アジャイル・エンバシー・ガーデンは、アンパン・ヒラー/ウ・タントという絶好のロケーション、エンバシー・ロウと呼ばれる通りで、平米あたり約20,452リンギット(約54万円)という新しいベンチマーク価格を打ち出しました。2018年に発売開始した、ヨン・タイ(Yong Tai Bhd)によるインプレッション・ウ・タント(Impression U-Thant)は、平米あたり18,298リンギット(約48万円)となっています。


ナイト・フランク・マレーシアのマネージング・ダイレクター、サルクナン・スブラマニアム氏は、クアラルンプールのハイエンドレジデンシャル市場の全体的な見通しとしては、供給と需要のアンバランスから課題の多い状況が続くだろうとしています。


一方で、同氏は、ブキット・ビンタン、アンパン・ヒラーまたはウ・タント、モント・キアラ、バンサー、ダマンサラ・ハイツまたはケニー・ヒルといったクアラルンプール市内の一等地では、新しい物件の発売や取引がより多く見られるようになると予想しています。


また、これらの一等地に加えて、もともとあるタウン開発またはこれから注目のエリアにも、高所得層や富裕層の注目が集まるとしています。


こういったタウン開発には、デサ・パークシティ、タマン・トゥン・Drイスマイル、開発中の金融街インビ、プドゥ、TRXなどが含まれます。


ナイト・フランク・マレーシアのレポートでは、シンガポール、香港、中国、台湾、日本、オーストラリア、英国、米国、その他欧州諸国の外国人投資家がマレーシアに関心を寄せていることについても強調しています。


「地元のデベロッパーは、不動産市場を活性化させるべく、さまざまな施策やインセンティブと抱合せて、積極的にハイエンドレジデンシャル商品を売り込んでいます。今年は販売が伸びると見込んでいます。これにより、現状のハイエンド物件セグメントの過剰供給状態の緩和につながるかもしれません。」



■市場活性化のための新しい法律

マレーシアでは、2020年国家予算で、いくつか主要な方針が発表されました。この中には、都市部における売れ残り高層物件の外国人購入者の最低購入価格を100万リンギットから60万リンギットに引き下げること、レント・トゥ・オウン(Rent-to-Own:購入オプション付き賃貸)スキームなどがあります。サルクナン氏は、このような新しい法律が今年の不動産市場の回復の助けになるのではと期待しています。


その他の政府による取り組みとして、不動産譲渡益税(Real Property Gains Tax:RPGT)の基準年を見直し、を2013年1月1日にすることなどがあります(以前は、2000年1月1日)。


サルクナン氏は、RPGTの基準年を変更することで、不動産の処分時の課税対象となる譲渡益が少なくなるため、不動産市場にポジティブな影響を与え、それに伴い、セカンダリー市場の取引も活発になると予想しています。

(出所:New Straits Times

▶アジャイル・エンバシー・ガーデンに関するPropertyAccess.coの過去の記事はこちら

▶コンレイの物件情報はこちら

*価格は記事執筆時のものであり、デベロッパーにより変更されることがあります。

(トップ写真:Indra Gunawan from Pixabay