[フィリピン]不動産の購入者保護①

フィリピン不動産の購入者のためのガイドをご紹介します。

[フィリピン] 不動産購入者の保護①


不動産は多くの人にとって大きな買い物です。フィリピンの不動産業界は競争が激しく、最高のケアとプロ意識をもって顧客に対応しようとする業者がいる一方で、残念ながら、早く商談をまとめようとできもしない約束をしようとする業者がいることも事実です。

安心できる業者から購入するのはもちろんですが、購入者側でできることとして、土地利用と住宅建設の許認可を管轄している住宅・土地利用規制委員会(HLURB (Housing and Land Use Regulatory Board) )は、フィリピンで不動産を購入しようとする人に対してガイドを出していますのでご紹介していきましょう。


1.購入者のためのガイド

■購入する前に

1.購入するプロジェクトが登録証明書(Certificate of Registration)および販売許可(License to Sell)を得ているか確認する。

 ✔オーナーまたはデベロッパーの仲介業者/エージェントに、プロジェクトが登録済み&HLURB発行の販売許可を得ているかを聞きましょう。

  *購入しようとするプロジェクトに登録証明書および販売許可が出ているか、またその他の制限がないか(例:停止命令(Cease and Desist Order)、認可停止(Suspension of License)など)、HLURBウェブサイト(www.hlurb.gov.ph)のオンライン・クエリーで確認できます。
  *もしくは、管轄のHLURB事務所で直接または電話で問い合わせもできます。

2.購入しようとする分譲地/コンドミニアムを訪れて自然地形(例:土砂崩れ、洪水、浸食などの可能性がないか)を確認する。


プロジェクトに販売許可が出ていたら、オーナー/デベロッパーと契約を締結することができます。しかし、いくつかチェックすべき項目があります。

 ✔ 販売許可に記されているプロジェクトの完成予定日
 ✔ 物件に抵当権が設定されている場合、HLURBからの抵当権設定許可(Clearance to Mortgage)が下りていること。
 ✔ 広告/パンフレットなどに記載の設備やアメニティが、HLURBに届け出られ、承認された分譲地/コンドミニアム計画に沿っていること。


■購入時

1.仲介業者/エージェントがHLURB(住宅・土地利用規制委員会)/DTI(貿易産業省)に登録されているか確認する。
2.物件が他のバイヤーに販売済みでないか、登記局(Register of Deeds)と確認をする。
3.自身の収入源をよく把握し、月々の支払も含めて、支払い能力があるか確認する。
4.住宅またはコンドミニアムユニットに使用される資材が、HLURBに提出された開発標準(development standards)および承認済みの建設仕様書(construction specifications)に合致しているか確認する。
5.水道・電気メーターや分譲地の周囲フェンスなどがデベロッパーの負担かどうかを確認する。
6.分譲地/コンドミニアムの水道システムの最終的な運営をするのは誰か確認しておく。


■売買契約を締結する前に

1.契約書を白紙状態で署名しない。
2.契約書のすべての内容をよく読む。特に小さな字で書いてある条件などに注意する。
3.契約書および署名したすべての書類の写しを取る。
4.オーナー/デベロッパーが確実に契約書を登記局に登録するようにさせる。
5.支払は、オーナー/デベロッパーに直接か、オーナー/デベロッパーが委任した販売代理人にのみ行う。
6.すべての支払について、公式の領収書を依頼し保管しておく。


2.購入者の権利

次に、購入者の権利を見ていきましょう。

フィリピンにおいて不動産を購入する場合、購入者の利益を保護するような以下のような権利が与えられています。


■クリーンタイトル(無瑕疵の不動産所有権)を受ける権利

分譲地やコンドミニアムユニットを購入しようとする者は、購入価格を全額支払ったら、その分譲地やコンドミニアムユニットのクリーンタイトル(無瑕疵の所有権)を受け取る権利があります。分譲地やコンドミニアムユニットに抵当権が設定されている場合、オーナー/デベロッパーは、購入金額の全額支払いから6か月以内に抵当権を取り戻し、所有権が購入者に渡るようにしなくてはなりません。この際、購入者が負担すべき金額は、登記局での売買証書の登記費用のみです。

ただし、分譲地またはユニットの所有権が購入者名義に移転される前に、分譲地やコンドミニアムユニットを実際に使用したり占有したりした場合、不動産税は購入者に対して課されます。


■支払済みの金額を没収されない権利

プロジェクトが承認済みの計画通りに、開発の期限内に開発されないことを理由に購入者が支払をやめた場合、オーナーまたはデベロッパーは、購入者が分譲地またはコンドミニアムのために支払い済みの金額を没収することはできません。ただし、購入者は、支払を停止することについて、オーナーまたはデベロッパーに通知しなくてはなりません。

このような場合、購入者は支払済み総額を法定利息付で返金請求することを選択できます。この総額には、割賦利息を含みますが、支払遅延利息は除きます。


■分割払いの不払いにかかる権利

プロジェクトが開発されない理由以外の理由で、購入者が分割払い金を支払えない場合(例:必要資金を調達できない等)、購入者は共和国法NO.6552「分割払いによる不動産購入者保護法」に基づく購入者の権利を利用することができます。これにより、分割払いの支払が終わっている期間に応じて、購入者には支払猶予の期間(Grace Period)が与えられたり、契約解除となった場合に一定の払戻金を受ける権利が発生したりします。

1972年8月26日の共和国法No.6552施行以前に締結された取引または契約については、契約に別途の規定がない限り、契約不履行を起こした買主は、同法の施行以降に支払われた分割払い金について返金を受ける権利があります。

(出所:HLURB

次回は、購入者を保護する法律・規制の内容について見ていきましょう。