[マレーシア] 不動産投資をより身近にするReit

マレーシアのREIT「M-REIT」に関する記事をご紹介しましょう。

[マレーシア] 不動産投資をより身近にするREIT


不動産は大きな投資です。ちゃんと一から計画すれば大きな財につながります。しかし現在の市況では、物理的な不動産か、REIT(不動産投資信託)か、どちらがよりよい投資となるのでしょうか?

AREAマネジメント社のエグゼクティブ・チェアマンであるステュワート・ラブルーイ氏は、「不動産は素晴らしい投資になります。しかし、始める前にコミットする覚悟がなくてはなりません。」と話します。

ラブルーイ氏は、不動産そのものよりも、ストレスが少ないREITなどに投資する方を選ぶと話しています。

「不動産そのものに投資するとき、収益を生むような素晴らしい資産を見つけられるよう期待しますよね。一方で、市況が好調の時にフリップをして利益を生むような不動産に投資したいと考える投資家もいます。」

「物件を購入するとき、頭金だけ支払って、それ以降は家賃収入を住宅ローンの返済に充てたいと期待しますよね。物件に借り手がついたら、今度は物件の価値からキャピタルゲインを得続けたいという期待が生まれる。どれも簡単なように聞こえますが、現実はいつも計画通りにはいかないということです。自分の物件が簡単に借り手がついたり、希望の価格で賃貸できるかどうかわかりますか?物件を買ってから2,3年後にどうなるかなんて想像がつくでしょうか?」とラブルーイ氏はNew Straits Times紙に語ったといいます。

ラブルーイ氏は、一戸建てやアパートを買うことは避けていると言います。「私は、家族が育ったクランの自宅で幸せに暮らしています。自分のお金は、REITに投資しますね。市況が悪くても、分配金という形で収入を得ることができますから。」


REITについて

REITとは、オフィス、店舗スペース、ホテル、病院、工業用地、またはショッピングモールなど、収益を生む不動産のポートフォリオに投資をする上場ビークルです。

マレーシアREIT(M-REIT)の中には、特定のアセットクラス(資産クラス)を専門に行うものもあれば、ミックスのポートフォリオを持つものもあります。アセットクラスが単独か複数かにかかわらず、リース契約に基づく賃料と潜在的な値上がりから、安定的な利益を提供します。

テナントから回収した賃料から、費用を差し引いたものは、REITのユニットホルダー(持分保有者)に対して安定的な利回りを提供すべく、定期的に分配されます。このユニットホルダーへの分配金は、個人については、10%の源泉所得税が課されます。

2005年、証券取引委員会(SC)はマレーシアREITガイドラインを導入、Axis REITとStarhill REITが同年に上場しました。それ以降、M-REIT市場は確実に実績を積んできました。現在、18のM-REITが存在し、その時価総額は、約420億リンギット(約10.9億円)、資産規模は490億リンギット(約12.7億円)となっています。

ラブーイ氏は、KLCCプロパティ・ホールディングスのスリアKLCC、パビリオンREITのパビリオンKLモール、IGB REITのミッド・バレー・メガモール、サンウェイREITのサンウェイ・ピラミッド・ショッピングモールといった比較的賃料が高い、戦略的な場所にあるプライムリテール資産や、低迷する市場の中でも成長を続ける工業スペースなどのM-REITが人気があると話しています。

▼マレーシアREITと不動産投資の比較(出所:New Straits Times)

項目REIT不動産
値上がりありあり
定期的な分配金あり不定
流動性ありなし
節税効果ありなし
プロによる管理ありなし
大規模資産の持分保有ありなし
他の投資との相関性ありなし



REITに投資するといいのはなぜ?

1.  プロによる管理

REITは、資本市場およびサービス法(Capital Market and Services Act)のもと証券取引委員会により認可を受けたプロの管理会社(REITマネジャー)により運営されています。証券取引委員会とマレーシア証券取引所の規制の遵守は絶対です。REITマネジャーは、物件の空室率を最低限に抑え、賃料の回収、分配金の支払、受託物の資本管理をしっかりとおこない、必要があれば資産を増強することで、資産の維持の責任を負います。最も重要なのは、REITマネジャーは、投資家にとってのビジネスリスクを排除することで、テナントを満足させるために存在することです。

2.  様々なオプションがある

現在、マレーシア証券取引所には、18の不動産関連REITが存在します。投資家は、リテール、商業、工業またはヘルスケアと幅広いREITの選択肢があります。

▼マレーシアのREIT(M-REIT)一覧(2019年10月16日現在)(出所:Bursa Malaysia

REIT名銘柄略称ポートフォリオREITマネジャー
Amanah Harta Tanah PNBAHPリテール、オフィスPelaburan Hartanah Nasional Berhad (PHNB)
Al-'Agar Herthcare REIT*ALAQAR病院、看護学校、ホテルDamansara REIT Managers Sdn Bhd
Al-Salam REITALSREIT商業リテール、オフィス、工業目的Damansara Reit Managers Sdn Bhd
AmFirst REITAMFIRSTオフィス、リテール、ホテルAm ARA REIT Managers Sdn Bhd
Amanah Raya REITARREIT工業、オフィス、ホテル、教育機関、リテールAmanah Raya Investment Management Sdn Bhd
Atrium REITATRIUM工業、倉庫、オフィスAtrium REIT Management  Sdn Bhd
AXIS REIT*AXREITオフィス、工業Axis REIT Managers Herhad
Al-Hadharah Boustead REIT*BSDREIT油ヤシプランテーション、パーム油工場Boustead REIT Managers Sdn Bhd
CapitaMalls Malaysia TrustCMMTリテールCapitaMalls Malaysia REIT Management Shd Bhd
Hektar REITHEKTARリテールHektar Asset Management Sdn Bhd
IGB REITIGBREITリテールIGB REIT Management Sdn Bhd
KLCC REIT*KLCCリテール、オフィスKLCC REIT Management Sdn Bhd
Pavillion REIT*PAVREITリテール、オフィスPavillion REIT Management Sdn Bhd
Quill Capita TrustQCAPITA商業、駐車場、オフィス、工業Quill Capita Management Sdn Bhd
Starhill REITSTAREIT商業、REITの転換優先ユニットPintar Projek Sdn Bhd
Sunway REITSUNREITリテール、ホテル、オフィスSunway REIT Management Sdn Bhd
Tower REITTWRREITオフィスGLM REIT Management Bhd
UOA REITUOAREITオフィスUOA Asset Management Sdn Bhd

*イスラムREIT

3.  物件を所有するのに投資はわずか

初期の出費がかさむ不動産購入とは異なり、REITは少額から投資することで、高品質で収益を生み、十分なメンテナンスがされた不動産ポートフォリオの持分を所有し、値上がりを享受することができます。

4.  REITのユニットの売買は簡単

すべてのREITユニットはマレーシア証券取引所に上場しているので、通常の株式のような取引がされ、価格の透明性は高いです。不動産購入が完了するのには6か月という期間を要し、それには仲介業者の手数料なども含みます。しかし、REITユニットの売買は、ほぼその場で完了、取引にかかる料金も安価です。

5.  分配金の支払

ほとんどのREITは四半期ごとに分配金を支払います。これは、テナントから賃料を回収するのとほぼ同じです。

6.  税制面での優遇

REITは、年間利益の少なくとも90%をユニットホルダーに分配するので、1967年所得税法の第61A条に基づき、当該年度につき25%の法人税が免除されます。しかし、REITの分配金には源泉所得税が課されることになります。

7.  資産の売却も分配金として支払われる

REITの中には、よいオファーがあった時には保有する資産を売却するものもあります。売却益は、特別免税分配金として、投資家に還元されます。

8.  インフレに対するヘッジ

不動産と同じく、REITへの投資は、インフレに対するヘッジかつ投資の保護策となります。REITが上手に運営されて成功を収めていれば、毎四半期の分配金とキャピタルゲイン、両方の恩恵を受けることができるのです。

(出所:New Straits Times

ただし、過去の記事でもご紹介した通り、現時点では日本から直接海外REITを買うことはできず、REITファンドや海外REIT-ETFを通じて購入することになります。もしくは、まずは日本のREITから始めてみてもよいかもしれません。

※本記事は、マレーシアのM-REITに関するニュースと、日本在住の日本人がREITを購入する場合のPropertyAccess.coの過去の記事をご紹介する目的で、特定のREITを推奨するものではありません。