2024/04/24
インドネシア中央銀行は2024年4月24日、金利を7年ぶりの高水準に引き上げ、為替介入にもかかわらず対ドル安が続くルピアを押し上げる予想外の動きとなりました。
▼インドネシア主要金利(7日物リバースレポレート)推移(出所:Trading Economics)
インドネシア中銀は、7日物リバースレポレートを25ベーシスポイント引き上げ、2016年以来の水準となる6.25%としました。エコノミストらは、6%に据え置くと予想しており、今回の利上げはサプライズとなりました。
他の2つの主要金利も25ベーシスポイント引き上げられました。
「金利引き上げは、世界的なリスク悪化の可能性に対してルピアの為替相場の安定性を強化するためだ」と、インドネシア中銀のペリー・ワルジヨ総裁は記者会見で語っています。
コロナ禍を抜け、インドネシア中銀は他の世界の中央銀行と同様に、高騰するインフレと闘うために金融引き締めを実施しています。
物価の高騰は、ロシアのウクライナ侵攻による世界的なエネルギー・食料価格の高騰、サプライチェーンの混乱、パンデミック関連の経済問題などが一因となっています。
ペリー総裁は、今回の利上げについて、インフレ率が1.5〜3.5%の目標範囲内に収まるようにするための「先手を打ったかつ前向きな措置」だと述べています。現在のインフレ率は3.05%です。
ペリー総裁によると、ルピアは米ドル高に対して域内の他の通貨を上回るパフォーマンスを示したが、ルピアを支援するために一連の介入を行った後でも、年初から5%以上ルピア安が続いています。
▼直近1年の対ドル・ルピア為替推移(出所:xe)
米国のインフレ率が依然として目標値を頑なに上回っているため、米連邦準備制度理事会(FRB)が今年中に借入コストを何回引き下げるかという期待が薄れつつあることが、ドルを押し上げており、エコノミストらは、ルピアの下落が続けば、インドネシア中銀はさらに引き締めるだろうと予想しています。
英・調査会社キャピタル・エコノミクスのシニア・アジア・エコノミスト、ガレス・レザー氏は、(今回の利上げについて)「中央銀行は通貨を支えるために外国為替市場に介入しており、引き締めサイクルを再開するよりも、これまでの戦略を続けるだろうと考えていた」と述べています。
(出所:Business Inquirer)
(画像:UnsplashのAfif Ramdhasumaが撮影した写真)
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