2024/01/04
フィリピン中央銀行(Bangko Sentral ng Pilipinas(BSP))によると、2023年第3四半期の住宅価格はさらに上昇しました。しかし、高金利により毎月の住宅コストが上昇を続けたため、ペースは鈍化しました。
BSPのレジデンシャル不動産価格指数(RREPI)は、2022年同期の148.6から2023年第3四半期には167.7へと12.9%上昇しました。2023年第2四半期に記録した前年同期比14.1%上昇からは減速となりました。
前期比では、2023年第2四半期の162.2から3.4%の上昇となりました。
全国の住宅不動産価格が最後に縮小したのは、2021年第2四半期のマイナス9.4%でした。2016年第1四半期に開始されたRREPIは、フィリピン国内の不動産および信用市場の状況を評価する指標として使用されています。
BSPは、「フィリピンにおける様々なタイプの新築住宅の住宅不動産価格は、2023年第3四半期も上昇を続け、前年同期比12.9%、前期比3.4%上昇したが、それぞれ2023年第2四半期に記録された14.1%、5.3%の成長率よりは低かった。」と声明で述べています。
生活費の上昇とコロナ後の経済の全面再開が不動産価格をさらに押し上げました。
エリア別では、首都圏(NCR)の住宅不動産価格は、戸建て住宅、コンドミニアムユニット、タウンハウスの価格が上昇し、2022年第3四半期の179.8から2023年第3四半期には201.9へと12.3%上昇しました。
同様に、NCR以外の地域(AONCR)の住宅価格は、全てのタイプの住宅価格が前年同期比プラスとなり、2022年第3四半期の136.4から2023年第3四半期には155.9と14.3%上昇しました。
▼エリア別のレジデンシャル不動産価格インデックス(出所:BSP)
※黒色:フィリピン全体、赤色:マニラ首都圏(NCR)、青色:それ以外(AONCR)
BSPの報告によると、住宅タイプ別では、デュプレックス(二世帯住宅)の価格は57.7%上昇の262.4と最も高い伸びを記録し、次いで戸建住宅が16.8%上昇の142.9、タウンハウスが9.3%上昇の194.6、コンドミニアムが8.3%上昇の226.9となりました。
▼住宅タイプ別のレジデンシャル不動産価格インデックス(出所:BSP)
※緑色:戸建て、オレンジ色:デュプレックス(二世帯住宅)、紫色:タウンハウス、黄色:コンドミニアム
また、金利上昇のため、2023年第3四半期の新築住宅向け住宅不動産ローン実行件数が全体で1.8%減少しました。NCRで11.9%減となり、AONCRでの5.1%増を打ち消す形となりました。
全体の住宅不動産ローンの実行件数は、AONCRの15%増がNCRの9.3%減を打ち消して、前年同期比で6%増となりました。
2023年第3四半期の住宅不動産ローン取引の大部分(76.2%)は、新築住宅の購入に利用されました。
ほぼ半数の48.2%が戸建ての購入に充てられ、次いでコンドミニアム・ユニットが36.3%、タウンハウスが15%でした。
総取引件数のうち、32.2パーセントがカラバルソン地方、31.8パーセントがNCR、12.3パーセントが中部ルソン地方、6.1パーセントが西ビサヤ地方でした。
2023年7月から9月までの国内の新築住宅の評価額は、平均で平米あたり92,168ペソ(約23万8,500円)で、前年同期比9%、前期比17.5%の伸びとなりました。
(画像:UnsplashのJC Gellidonが撮影した写真)
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