[フィリピン] 12件の旗艦インフラプロジェクトが2023年末までに完成

2023/09/07


フィリピンの国家経済開発庁(NEDA)によると、前政権と現政権のもとで発足した旗艦インフラプロジェクトのうち、少なくとも12件が今年中に完成します。


NEDAのウェブサイトによると、今年中に完成するプロジェクトには、C5南接続道路プロジェクト、東南メトロマニラ高速道路プロジェクト、ウイルス学研究所(Virology Science and Technology Institute of the Philippines)などがあります。



NEDAのアルセニオ・バリサカン長官は、これらのプロジェクトの重要部分は、前大統領ロドリゴ・ドゥテルテ政権下で始まったと述べています。



バリサカン長官によると、これらのプロジェクトのうち4件は予定通り、1件は予定を前倒しして、残りは課題はあるものの現在対応を進めている状況だと述べています。



今年完成予定のプロジェクトは12件、来年は16件あるということです。



現政権下で始まり、完成は次期政権下になりそうなプロジェクトも多くあるということです。



2023年7月時点で、NEDAによると、当初194件あった旗艦インフラプロジェクトのうちの71件(4.11兆ペソ相当)が進行中だということです。



新しくステータスが「進行中」になったプロジェクトには、メトロセブ高速道路、海上のフェリー輸送と陸の幹線国道とを上手く繋ぎ合わせた海上国道網改善プロジェクト(Nautical Highway Network Improvement)、ダアン・マハルリカ国道改良プロジェクトがあります。



残りの123件のうち、27件はすぐに実施できるよう承認を得たところで、8件は政府の承認待ち、52件は現在準備段階、36件はプロジェクト前の準備段階ということです。



さらに、NEDAの担当委員会がプロジェクトの企画、優先順位付け、モニタリングにかかる見直しを承認したのちに、新たに3件のプロジェクトが旗艦プロジェクトのリストに加わりました。



追加になったのは、タルラック-パンガシアン-ラ・ウニオン高速道路(TPLEX)延伸プロジェクト、フィリピン地方開発プロジェクトの拡大事業、東ミサミス州のラギンディンガン国際空港の保守プロジェクトです。



リストに加えられたことで、政府の年間予算の編成段階におけるこれらのプロジェクトの優先順位もあがり、現在の法的枠組みに沿って必要な許可・認可の発行を早く受けられるようになるということです。



バリサカン長官は、「これ(予算や認可)は、これらのプロジェクトが適時に実施され、その経済的効果を十分に受けるためには重要なことです。遅れによるコストや金利の上昇を避けることができるからです。」と加えています。



予算管理省によると、政府は2024年にビルド・ベター・モアプログラム(BBMP)のもとでの複数のインフラプロジェクトの資金として1.4兆ペソ(国のGDPの5.3%)を提案しています。総合不動産サービス会社コリアーズ・フィリピンは、大規模なインフラ開発は、メトロマニラ以外の都市部における不動産価格を押し上げ、地価を上げ、経済活動を活発にするポテンシャルがあるとみて、デベロッパー各社にこういった大型公共プロジェクトの近くの土地や物件の取得を重点的に行うべきだと提案しています。また、こういったプロジェクトは不動産会社の2023年以降の事業拡大戦略を策定するに当たって重要な役割を担うだろうとも述べています。




(出所:ABS-CBNManila StandardColliers

(画像:UnsplashのGerald Diñoが撮影した写真)