2021/11/11
マレーシアとシンガポールは、世界で最も忙しい路線のひとつ、クアラルンプール国際空港とシンガポールチャンギ空港間の空の旅について、完全にワクチン接種を終えた人には隔離期間を免除することにしています。
2021年11月8日、マレーシアとシンガポールの首相は共同で声明を発表し、2021年11月29日より、条件を満たす乗客は、Covid-19の検査を行うことで、施設隔離または自宅隔離をしなくてもよくなると述べました。
シンガポールのリー・シェンロン首相は、「シンガポールとマレーシアは、深く、温かく、多面的な関係を享受しています。これにより、両国の経済の再活性化、人々の結びつきの修復、そして二国間関係の強化が促進されるでしょう。」と述べています。
「近い将来」には、陸路での国境も再開される計画があることも明かされています。
シンガポールは、マレーシアの外国観光客の大部分を占めており、マレーシアの観光芸術文化庁によると、2019年には1,000万人のシンガポール人がマレーシアを訪れました。これが2020年には150万人に落ち込みました。シンガポール人観光客からの観光収入も最も多く、2019年には205億リンギット(約5,590億円)でした。
逆に、2019年にマレーシアからシンガポールを訪れた人は120万人でした。シンガポール観光局によると、この数字は2020年には15万3,650人にまで落ち込みました。シンガポールークアラルンプール間は、フライトトラッカー会社OAGのデータによると、2019年の国際線の中で「最も忙しい路線」第2位で、座席数は556万席だったということです。
シンガポールは最近、アメリカ、イギリス、ドイツなど複数の国と、「vaccinated travel lanes」と呼ばれるワクチン接種済みの人向けのトラベルレーンを設けました。また、11月8日からは、オーストラリアおよびスイスからの旅行客も隔離なしで入国ができます。さらに、11月29日からは、フィンランドとスウェーデンからの旅行客も隔離なしとなります。
今回発表されたシンガポールとのトラベルレーンが、マレーシアにとっては初のワクチン接種済みトラベルレーンとなります。マレーシアは、10月に州をまたぐ移動の禁止を解除したばかりです。マレーシアは、試験的にランカウイで海外との観光バブルを作り、11月15日から段階的に外国人旅行者を受け入れる計画にしています。
マレーシアの国営ニュースベルナマによると、マレーシアはオーストラリアとも再開に向けた協議に入っているようです。
「VTL(ワクチン接種済みトラベルレーン)は、国民の安全と健康を確保しつつ、経済の回復の必要性のバランスを取ることで、責任を持って段階的な国境の再開をし、行き来を認めていきます。」とマレーシアのイスマイル・サブリ・ヤーコブ首相は述べています。両国とも、ワクチン接種ではかなりの進捗を見せています。
▼東南アジア諸国+日本の人口に対するワクチン接種を完了した人の割合(出所:Our World in Data)
(出所:Bloomberg、Our World in Data)
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