[フィリピン] ドゥテルテ政権で実施の「ビルド・ビルド・ビルド」プロジェクト112件中18件

2021/12/08


フィリピンのロドリーゴ・ドゥテルテ大統領の任期が2022年央に満了するまでに、「ビルド・ビルド・ビルド」プログラムの下、18件の大規模旗艦インフラプロジェクト、2,359億ペソ(約5,311億円)相当が完了予定です。



社会経済企画庁のジョナサン・ウイ次官によると、少なくとも14プロジェクト、1,161億ペソ(約2,614億円)相当が2021年末までに完了するということです。


2022年6月までには、さらに4件のプロジェクト1,198億ペソ(約2,704億円)が完了予定です。



政府の4.7兆(約10.6兆円)プログラム「ビルド・ビルド・ビルド」インフラプロジェクト112件の大部分はドゥテルテ大統領の任期後に行われることになります。


ウイ次官は、次期政権による「ビルド・ビルド・ビルド」の残りの94プロジェクト、4.5兆ペソ(約10.2兆円)の継続実施が望まれると述べています。



2022年後半期には、9件のプロジェクトが運転営業開始、85件は2023年以降となります。



ウイ次官は、これらのインフラ旗艦プロジェクトのうち55件は、2020年以前にすでに着工式を終えており、今年は21件が着工式を迎えました。政府は、来年29件、2023年以降に7件の着工式を予定していたということです。


ウイ次官は、Covid-19パンデミックが始まって約2年、工事の混乱、特に供給サイドの問題で、かなりの遅れが生じたことを認めています。


インフラプロジェクトの工事は、パンデミックが始まり最も厳しいロックダウンが実施された最中に中断されました。その後、政府は、2020年パンデミックに端を発した不況のさなか、雇用を生み人々の暮らしを守るために、最低限の衛生上のルールを守ったうえで、インフラ工事の再開・継続を認めました。



ウイ次官によると、政府は、需要に応じてインフラプロジェクトの再調整も行っています。特に大規模な空港や鉄道プロジェクトは、Covid-19感染拡大予防のためのソーシャルディスタンスが伴うため、ニューノーマルでの需要は和らぐ可能性があります。


こういった制約により、インフラ建設のコストが釣りあがっているともウイ次官は述べています。



公共インフラ支出の国民総生産(GDP)に占める割合は、パンデミック前の2019年は5.4%でしたが、2020年は4.8%まで減少しました。


政府は、今年の年間インフラ支出をGDPの5.1%に、来年は5.8%まで上げていきたい考えですが、「この調子で行くと、まだパンデミックとの戦いは続くだろう」として、ウイ次官は、2022年のGDPに占めるインフラ支出の割合は、4.5%程度に留まるかもしれないと述べています。





(出所:Business Inquirer

(画像:Photo by Ivan Bandura on Unsplash )