2020年グローバル不動産透明性インデックスのハイライト

JLL社により発表された2020年グローバル不動産透明性インデックスのハイライトをご紹介していきます。

2020年グローバル不動産透明性インデックス:ハイライト


社会、経済に大きな混乱が起きる中、総合不動産サービス会社JLLの2020年版グローバル不動産透明性インデックスが発表されました。政府、企業、コミュニティがそれぞれ、Covid-19の影響に対応しようともがく中で、今回のパンデミックは、透明性と信頼性の問題を浮き彫りにしました。不確定要素の多いこの時代、透明性の高いプロセスと正確でタイムリーなデータが最も重要になってきます。


グローバル不動産透明性インデックス

20年以上にわたり11版が発行され、グローバル不動産透明性インデックスは、市場の透明性を評価するうえで業界で最も広く使われるベンチマークとなっており、不動産のクロスボーダー投資家、デベロッパー、そして入居者はもちろん、政府や国際ベンチマークを求める業界プレイヤーにとっても、なくてはならないガイドとなっています。

2020年インデックスは、不動産市場がいかに透明かを計るため、投資パフォーマンスベンチマークや市場データから、取引プロセスやサスティナビリティ(持続可能性)まで、幅広いトピックをカバーしています。最新の2020年版では、99の国と地域の163都市を対象として、不動産透明性の世界像を表わしています。


2020年インデックスで何が分かる?

2020年インデックスでは、透明性は多くの国と地域で改善していますが、全体的な改善幅は、世界金融危機直後以来最も鈍い状態となっています。

投資家、企業、消費者からの圧力が高まる中、不動産透明性は、他のアセットクラスと競合し、サスティナブルでレジリエントな建造環境の提供における業界の役割に対して高まる期待に応えるべく、より大きく、より早く改善することが求められます。

常に上位を占める英語圏の国が今回もトップにランクイン、イギリス、オーストラリア、アメリカが上位3位を占めました。しかし、フランス、ドイツ、スウェーデンといった西欧の国々も追いついてきています。これらの「非常に透明性が高い」国々で透明性が高まった背景としては、プロップテックとニューデータ、サスティナビリティ(持続可能性)への取り組み、反マネーロンダリング規制とオルタナティブセクターの強化の組み合わせがあります。

アジア太平洋地域の市場は、世界の改善をリード、最も改善が進んだ国々は南アジアと東南アジアに集中しています。インドが域内で最も改善幅の大きかった国で、東南アジアでは、タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシアが改善幅の大きかった国トップ10に食い込んでいます。上海、北京といった都市が貢献して中国本土も改善が進み、初めて「透明性が高い」カテゴリーに入りました。


透明性 vs 投資

不動産の透明性と投資の関係を見ていきましょう。以下はその中でもアジア太平洋地域の状況を表示しています。丸の大きさは一人当たりGDPを表わしています。

▼アジア太平洋地域の状況(出所:JLL)


不動産透明性の行く末は?

今回の調査により、不動産業界がこの混乱の時代に対応するにあたって、透明性の全体像を作り変えるような新しい圧力が生まれていることが分かりました。

・Covid-19流行に対応すべく急きょ制定された規制により複雑性が増し、法律・規制環境が刻々と変化している。
・不動産業界が、ネットゼロカーボンとレジリエントな未来に向けて変化を余儀なくされる中、気候変動への取り組みと脱炭素経済の形成が急務となっている。
・人と環境の衛生、健康、ワークライフバランスと社会的なつながりへの認知度が増し、健康とウェルネスへの注目が集まっている。
・テクノロジーの大量採用により、プロップテックのプラットフォームやデジタルツールが入手できるデータ量を押し上げている。


(出所:JLL

(出所: Janeke88 from Pixabay )