[フィリピン] デベロッパー各社セブの住宅プロジェクト強化

2024/05/09


総合不動産サービス会社コリアーズ・フィリピンは、デベロッパー各社がセブにおける住宅プロジェクトを強化していると述べています。今後数年で引き渡しを迎えるプロジェクトが増え、セブに投資しようとする投資家にとっても、マイホームを購入するエンドユーザーにとっても、選択肢が増えることは間違いないと述べています。



コリアーズによると、2023年、セブで完成した新築コンドミニアムは10,500戸でした。



2023年に竣工を迎えた注目すべき物件には、アビダ・ランド(Avida Land)のアビダ・タワーズ・リアラ(Avida Towers Riala)、セブ・ランドマスター(Cebu Landmaster)のミヴェラ・ガーデン・レジデンス(Mivela Garden Residences)、カサ・ミラ・タワーズ・グアダルーペ(Casa Mira Towers Guadalupe)、カサ・ミラ・タワーズ・マンダウエ(Casa Mira Towers Mandaue)などです。一方、ミングラニラでは、最初のコンドミニアム・プロジェクトであるタイム・レジデンス(Thyme Residences)も完成しています。



2024年から2025年にかけても、メトロ・セブ全体でコンドミニアムの完成が続くようです。コリアーズによると、2024年から2026年にかけて年平均5,000戸の新築コンドミニアムが完成し、2026年までにセブのコンドミニアム在庫は93,100戸に達する予測です。



国内デベロッパーのプロジェクトとしては、ロックウェルランド(Rockwell Land)のザ・ヴィラ・アット・アルーガ(The Villas at Aruga)、メガワールド(Megaworld)のパール・グローバル・レジデンス(Pearl Global Residences)、8990のアーバン・デカ・ホームズ・バニラッド(Urban Deca Homes Banilad)(タワー2棟)、アルタランド(Arthaland)のルシーマ(Lucima)などが控えています。これらのプロジェクトの1戸あたりの総契約価格(TCP)は、アフォーダブル(手頃)なものから高級なものまで幅広く、立地もセブ・ビジネスパーク、マクタンニュータウン、ラプラプ市、マンダウエ市に分散しています。



コリアーズによると、2023年のセブにおけるコンドミニアム販売数は5,620戸でした(前年比33%減)。2023年のプレセール市場で販売されたコンドミニアム総戸数のうち、アフォーダブル(手頃)な価格帯から中低所得者向けプロジェクト(250万ペソから700万ペソ/約678万円~約1899万円)が、全体の約62%を占めました。



同社は、このセグメントの需要の一部は、アウトソーシング企業で働く従業員向けの賃貸を見込む投資家により支えられていると見ています。また、国内の投資家だけでなく、海外で働くフィリピン人からの需要もありそうだと述べています。



手ごろな価格帯から中低所得者層向けのセグメントは、セブの土地付き一戸建て(H&L)プロジェクトでも、2023年の戸建て住宅販売戸数の過半数(55%)を占めました。コリアーズは、セブ島は、2022年に海外フィリピン人労働者(OFW)のトップ出身地のひとつであるセントラル・ビサヤ地域の一部であることから、戸建て住宅販売需要は、海外からの仕送りを受け取る世帯にも支えられていると思われると分析しています。



コリアーズはデベロッパー各社に対し、政府のインフラプロジェクトを活用し、より多くのマスタープラン・コミュニティの立ち上げについて実行可能性を評価するよう提言しています。



同社は、全体として、セブは回復しつつある不動産市場の恩恵を享受できると見ています。マニラ首都圏以外で最大のコンドミニアム在庫を持つセブは、コロナ後の需要を取り込む準備が整っている、とコリアーズは指摘します。セブ首都圏には、若手の会社員のようなエンドユーザーから目の肥えた鋭い投資家まで、幅広い住宅ニーズに応える多様なプロジェクトが存在するからです。



コリアーズは、2024年以降の住宅需要はさらなる回復を遂げるだろうと予想しています。これは、①持続的な地域経済成長、②海外で働くフィリピン人からの安定した送金流入、③BPO投資の持続に支えられるだろうと述べています。2023年にはマニラ首都圏以外で成約したオフィススペース案件の半分以上をセブが占めていたことからも活発なオフィス市場が伺えます。コリアーズはデベロッパー各社に対して、魅力的なプロモーションや柔軟な支払いスキームを継続的に提供することはもちろん、コンドミニアム、一戸建て、土地のみと幅広く構えた住宅開発の代替地についても検討していくのが良いだろうと述べています。




コンドミニアム・戸建てともに多くのプロジェクトの開発が控える中、コリアーズは、セブのデベロッパーが競争の激しい市場で頭角を現し、目の肥えた鋭い投資家の需要をとらえるためには、さらなる差別化が不可欠であると指摘しています。差別化のポイントとして、開発可能な広大な土地を持つ国内デベロッパーについては、国内デベロッパーや海外デベロッパーとの合弁事業の可能性の検討、またグリーンで持続可能な機能やオープンスペース、高級アメニティなどを挙げています。



また、投資家・エンドユーザーともにより高額なプロジェクトに集まりつつある傾向を捉え、特にセブ市場の富裕度が常に上昇していることを考えて、高級~ラグジュアリー物件市場をテストする必要があると述べています。コリアーズのデータによると、コンドミニアム・プロジェクトだけでなく、H&L、土地のみの物件価格も、セブ全体で上昇しているということです。




(出所: Business World Online

(画像:UnsplashのNaz Diocampoが撮影した写真)