[フィリピン] Covid-19感染者数急増でメトロマニラの25万人ロックダウン

2020/07/14

[フィリピン] Covid-19感染者数急増でメトロマニラの25万人ロックダウン


2020年7月13日、政府当局者はフィリピンの新型コロナウィルス(Covid-19)の感染者数が急増していることを受けて、メトロマニラの約25万人が再びロックダウンに入ることになりそうです。


1,200万人超の人口を抱えるメトロマニラを構成する市のひとつ、ナヴォタス市の住民は、世界でも最長のロックダウンのひとつとなった6週間のロックダウンを終えたばかりですが、再び2週間の外出自粛を迫られそうです。


ナヴォタス市のトビー・ティアンコ市長はラジオ放送にて、「これが解決策なのかはわかりません。しかし、(ロックダウンをすれば)感染者数の増加を防げるということだけは言えます。」と語っています。


ナヴォタス市は、マニラでも貧しいエリアの一つで、漁業が中心のまちです。地方政府の発表した数値によると、感染者数931人、死者59人となっています。さらに、ここ2週間で新規感染者数が急増しています。


ティアンコ市長は、ソーシャル・ディスタンシングを守らない人が多いとして、ロックダウンをするしか選択肢がないと語っています。ティアンコ市長はフランス通信社に対して、一連のガイドラインを詰めているところで、ロックダウンの発令は水曜日か木曜日になりそうだと述べています。


ロックダウンが発令されると、ナヴォタス市の住民は、通勤はできますが、外でのエクササイズなどは禁止となります。店舗や企業の営業も継続できますが、レストランはテイクアウトのみの営業となります。ティアンコ市長は、メトロマニラの警察署長に対してロックダウンの実施と違反者の逮捕のために人を派遣するよう要請したとも話しています。


フィリピン国内の隔離措置の状況は地域によって異なりますが、感染の多くがマニラに集中しており、国内でも最も長く、厳しいロックダウンが実施されました。


3月中旬にロックダウンに入り、緩和されたのは6月初め。公共交通機関では厳しいソーシャルディスタンシングが実施され、オフィスの稼働は最低限の人数で行われています。


それ以降も、エリア単位で、感染者数が再増したところにはロックダウンが実施されてきましたが、ナヴォタス市の外出自粛令は最大規模となります。


厳しいロックダウンは、フィリピンのGDPの3分の1以上を占めるマニラの多くの人々の生活に影響を与えています。しかし、規制の緩和と、海外で働くフィリピン人労働者の帰国により、国内の新規感染者数が急増しています。


■より厳しい規制も

フィリピンは、東南アジアの感染者数第2位となっており、感染者数は57,000を超え、死者は1,599人となっています。トップはインドネシアで、現在感染者数は75,000を超えています。


2020年7月8日には、1日あたりの感染者数が過去最高の2,539人を記録、7月に入ってからはほぼ毎日1,000人超が続いています。7月13日、保健省はさらに2,000人超の感染者数と、過去最多の死者162人を報告していますが、これには、過去数か月間でカウントに含まれていなかった数値を含めたことによるものだということです。


フィリピン大学の研究者は、フィリピンの感染者数が7月末には8万人に達するのではないかとの予測をしています。


私立病院マカティ・メディカル・センター、聖ルーク・メディカルセンターは、Covid-19患者の治療のキャパシティが限界に達したと報告しています。


省庁横断タスクフォースを率いるカルリート・ガルベス氏は、エリアによっては規制を厳格化することもありうると述べています。


ロドリゴ・ドゥテルテ大統領が詳細について発表するのは、今週水曜日(7月15日)とみられています。


(出所:CNN