2022/03/17
新型コロナウイルスの感染拡大抑制策として在宅勤務が広まってから2年近く経とうとしています。人材ソリューション会社ランドスタッド(Randstad)社の調べで、シンガポールで働く人の41%が、ボーナスが増えるよりも、リモートワークを続けたいと回答していることが分かりました。
ランドスタッドのシンガポールおよびマレーシア担当のマネージング・ダイレクター、ジャヤ・ダス氏は、この結果について、通勤時間や通勤のためのお金の節約、自分の時間が増えて生産性が上がるなど、リモートワークの利点を体験したからだろうと述べています。
回答者のうち、少なくとも80%は2022年に昇給があり、うち9%は20%以上の昇給があったということです。
回答者の半分が、2022年にボーナスの支給があると回答しており、うち43%はAWS*を除いて平均1か月~3か月分支給されるということです。
*AWS=Annual Wage Supplementの略で、別名13ヶ月目の給与(the 13th month payment)とも呼ばれています。 毎年末にベースサラリーの1ヶ月分に相当する金額を従業員に支給する慣行のことです。
ランドスタッドがコロナ前に行った2019年の調査では、ボーナスの支給があると回答した人は83%でした。このうち、69%が平均1か月~2か月分と回答しています。
ランドスタッドの「2022年給与・ボーナス期待値調査」は、2022年2月7日~14日にオンラインで行われ、シンガポールを拠点とする300人の会社員から回答を得ました。
調査は、2022年3月15日に公表され、Covid-19パンデミックの景気回復の中、雇用者がどのように従業員に報酬を与えているかに焦点を当てることを目的としています。
ボーナスの支給があると答えた回答者のうち、4人に1人は、支給されるボーナスは1か月分以下だと答えているのに対して、12%が7か月分以上の支給があるだろうと答えています。
ボーナスの支給が見込まれる回答者のうち65%は、今後6か月間、同じ会社で働き続けることに不満はないと回答しています。
ダス氏は、この「パンデミックによる大量退職、大量入れ替えの時期」に、雇用主は貴重な従業員をつなぎとめるために利益の分配を厭わないようだとコメントしています。
「候補者が少ない市場では、需要の高いスキルを持った人材は、高い給与を要求する強い交渉力があり、今の雇い主が期待値に沿えない場合には、新しい勤め先を探すでしょう。」とも話しています。
さらに、ダス氏は、従業員や応募者の変わりゆく期待値に沿えるよう、雇用政策や福利厚生を柔軟に調整することが非常に重要だとも指摘しています。
オフィス以外の場所で働きたいという従業員の優先条件について、「ハイブリッド型の働き方をパンデミック後も継続するつもりの雇用者は、従業員の留保のために、できるだけ早くその方針を打ち出していくべきだ」とも述べています。
(出所:Straits Times)
(画像:Photo by Adolfo Félix on Unsplash )
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