2022/11/11
2022年第3四半期、ベトナムにおける海沿いのヴィラとショップハウスの在庫は、新規で販売されたユニットの50%~70%という高い水準となりました。
不動産サービス事業者DKRAベトナムによると、国内で第3四半期に販売された海沿いに建つヴィラは389戸で、第3四半期の新規供給の30%以下です。プロジェクト15件のうち、9件で販売率が30%を下回っており、今年始まって以来の落ち込みです。
一方で、同じ期間に国内で販売された海沿いのショップハウスは、供給全体の50%程度でした。中部のダナンでは、ショップハウスの取引は1件もなかったということです。
一方で、コンドテルの販売は、第2四半期よりやや改善して、900件ほどの取引がありました。ほとんどが、南中部のビンディン省と、南東部のバリア=ブンタウ省です。
コンドテル市場の流動性は、ダナンを中心に、コロナ前と比べて急激に落ちています。
DKRAベトナムのR&D副ディレクター、ヴォ・ホン・タン氏は、不動産市場は商業銀行が貸付基準の引き締めを行っていることで、全体的に資本不足に陥っているとしてきします。海沿いのヴィラやショップハウスは、このような動きに免疫がなかったと見られています。
高いインフレと金利に加え、法的な枠組みがしっかり整っていないことも、市場がパンデミックから回復しようともがく中で、流動性が落ちた要因のひとつだと言えるでしょう。
海沿いのヴィラやショップハウスの所有権証書の発行は、居住用とみなされないために非常に遅く、土地、住宅、不動産取引の3つの法律間で一貫性がないために、バイヤー心理に大きく影響している、と不動産デベロッパー「フンティン・コーポレーション(Hung Thinh Corporation)」のチャン・クォック・ドゥン副ジェネラルディレクターは述べています。
ホーチミンシティ不動産協会(HCMC Real Estate Association)のレ・ホアン・チャウ会長は、不動関連の法的な枠組みを改善・統一して、コンドテルの所有権証書の発行をまずはスムーズにしてから、海沿いのヴィラやショップハウス、「オフィス」と「ホテル」を合わせたオフィステルといった他の物件にも所有権証書を発行していくべきだとコメントしています。
同協会の統計によると、ベトナムには83,000のコンドテルがあり、特に観光地であるバリア=ブンタウ、ダナン、タインホア、ビンディン、カインホア、ビントゥアン、キエンザンといった省に固まっているようです。コンドテルプロジェクトの総投資額は、100兆ドン(約5,715億円)と言われています。
(出所:VNexpress)
(画像:UnsplashのKenneth Ohが撮影した写真)
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