2021/02/05
[フィリピン] 証券取引所、今年は7社がIPO/REIT予定で回復期待
フィリピン証券取引所は、新型コロナウィルスの影響で経済が揺れ動く中、資本市場活動のスパートとして、7社が新規公開またはREITの提供を今年検討していることを明かしました。
フィリピンは、パンデミック前、アジアでも最も急成長中の国でしたが、株式市場に企業を誘致することには苦戦しており、新規株式公開(IPO)の数はあまり多くありません。
▼東南アジアのIPO数比較(2016年~2019年)(出所:Deloitte)
しかし、2021年には、少なくとも3社が株式公開を、4社がREITの上場を検討していることをフィリピン証券取引所のラモン・モンゾン社長・CEOが声明で述べてました。会社名は明らかになっていません。
2020年11月、ダブルドラゴン・プロパティーズは、今月(2021年2月)に、REITを通じて147億ペソ(約323億円)を調達する計画であることを発表しています。
REITは、ホテル、オフィスビル、ショッピングモールと言った定常的に収益を生むような不動産を管理するもので、定期的な配当を求める投資家にとっては魅力的です。
モンゾン氏は、「Covid-19の状況により先行きが予知できず、現在の経済環境は脆弱だが、楽観的に行きたいと思う」と、投資家の信頼感を取り戻すのはなかなか難しいだろうと話しています。
証券取引所は、今年、さらなる企業を呼び込むために規制を緩和する計画です。また、モンゾン氏によると、新しい特徴として、空売り、業界分類やインデックスの追加、データ分析プラットフォームなどを追加していく計画だということです。
フィリピン証券取引所の上場数は、記事執筆時点では274で、ロイターによると東南アジア諸国の中で一番少ない会社数となっています。
証券取引所を通じて調達された資金は、2020年は2.9%増の1,040億ペソ(約2,282億円)となりました。主に、IPOと追加株式売り出しによるものだということです。
フィリピンの広範囲の株式インデックスは、2020年8.6%下落し、新型コロナウィルスによって世界的に売りが続き、3月には41%も下落しました。
(出所:Reuters)
(トップ画像:Photo by Chris Liverani on Unsplash )
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