[ベトナム] ADB:ベトナムの成長予測を据え置き

2022/08/01


アジア開発銀行(ADB)は、ベトナムの成長率予測について、4月に公開された「アジア開発見通し2022年」から変わらずの2022年6.5%、2023年6.7%に据え置きました。



7月21日に公表されたADO増刊2022年7月号で、ADBは、貿易の拡大が続き、製造業、国内旅行および公共投資の支出が予想より早く回復することで、成長が牽引されるだろうと述べています。



世界的な価格の高騰、特に石油価格の上昇は、インフレの圧力を増加させそうです。しかし、ベトナム国内の豊富な食品供給が2022年のインフレを緩和する方向に働くだろうとADBは述べています。



したがって、インフレ予測も据え置きとなり、2022年が3.8%、2023年が4.0%のままです。



レポートでは、発展途上アジア・太平洋諸国は、Covid-19パンデミックからの回復を続けていると述べられています。多くの国では、行動制限が緩和され、経済活動の活発化に繋がっています。しかし、域内最大の経済圏である中国での、新しいコロナ感染拡大防止のためのロックダウンによる混乱に加え、世界的な需要の減速により、成長が弱まっています。



したがって、ADBは、中国の経済拡大の減速、先進諸国における積極的な金融引き締め、そしてロシア・ウクライナ間の緊張の影響から、今年の域内の成長予測を4.6%に下方修正しました。



4月時点での予測は5.2%でした。ADBはまた、食料品および燃料の価格高騰を受けて、域内のインフレ予測を上方修正しています。



「アジアのほとんどの国々で、パンデミックによる経済の影響は減りましたが、完全かつ持続的な回復からはまだほど遠いところにいます。」とADBのチーフエコノミスト、アルバート・パーク氏は述べています。「中国の減速に加えて、ウクライナ戦争の影響も、インフレ圧力を増加させており、世界各国の中央銀行が利上げに走っているため、それが成長にブレーキをかけることになっています。」



「域内の回復にリスクをもたらし続ける、これら世界的な不確定要素に対応することが重要です。」とパーク氏は述べています。




(出所:Vietnam Plus

(画像:Image by Tri Le from Pixabay)