[マレーシア] アムインベストメント銀行は建設業に対しアンダーウェイトの評価

2021/01/04

[マレーシア] アムインベストメント銀行は建設業に対しアンダーウェイトの評価


アムインベスト銀行リサーチは、政府が短期的に新しい公共インフラプロジェクトを投入することはなさそうだとして、国内の建設業界の収益見通しについて、悲観的な見方を続けています。


アムインベストメント銀行リサーチは、3月に審議される第12次マレーシア計画では、2021年から2025年の間に実施されるべきメガ級のインフラプロジェクトについて取り扱われることになっていますが、期待外れに終わるのではないかとの見方を示しています。


「パンデミック以前にもすでに、国家負債レベルが上昇していたことから、政府には財政策の余地はほとんど残っていないと見ています。」


「政府の財務ポジションは、パンデミックの影響(石油収入の減少を含む)、パンデミックの経済への影響を緩和するための多額の救済措置などにより、さらに圧迫されています。」と同リサーチ期間はそのレポートの中で述べています。


建設業界が直面している向かい風の中でも、アムインベストメントは特に、限られた契約をめぐって建設業者は互いに価格を削りあっていることから、市場が価格決定力を養わないことを指摘しています。


建設会社もまた、活動制限に加えて、労働者の住居のアップグレードなどの追加費用、さらにパンデミックによる事業リスクの高まりなどにより、運転コストの増加と効率の低下の影響を受けています。


アムインベストメントは、サラワク州が州の準備金を110億リンギット(約2,820億円)相当のインフラプロジェクトに充てたことについても述べています。これらのプロジェクトには、海岸道路、第2幹線道路、その他11つの大規模橋プロジェクトが含まれています。


同州政府はまた、ペナン交通マスター計画プロジェクトに基づく、ペナン南部の埋め立て計画に、プロジェクトパートナーからのつなぎ融資を利用することも計画しています。


一方で、建設業界関係者は、国内のインフラプロジェクトの展開が不確定なことから、海外市場に目を向けています。


アムインベストメント銀行リサーチは、財務ポジションの弱さにもかかわらず、マレーシア政府が主要公共インフラプロジェクトの実施を進めることを決めるならば、現在のアンダーウェイトの見通しを、ニュートラルまたはオーバーウェイトに格上げすることもありうると述べています。


(出所:The Star

(トップ画像:Photo by Tan Victor on Unsplash )