[アジア] 不動産はアジアが一番熱い?

アジア・パシフィック地域の2018年前半期のパフォーマンスと今後の見通しについての記事をご紹介しましょう。

不動産はアジアが一番熱い?


アジアに不動産投資をしようとする投資家は続々と増え続け、投資額は今年過去最高を記録しています。


JLL社の直近のグローバルキャピタルフローリサーチによると、アジア・パシフィックの不動産取引額は、2018年第2四半期で420億USドルを記録し、2017年同期より26%増となりました。2018年前半期の取引額は、810億USドルとなり、昨年比で29%増、過去最高を記録しました。


アジア・パシフィックの取引ペースは、世界のどの地域よりも進んでおり、前回の景気不況から回復を始めています。2018年前半期の取引額は、米州、ヨーロッパともに9%増となりました。アジア・パシフィックが、全世界の取引額を吊り上げ、2018年前半期で13%増の3,481億USドルとなりました。この数値は、2017年より13%高く、前半期としては2007年以来最高となりました。

アジア・パシフィックの取引額の増加をけん引したのは、「発展途上の市場の長期成長とともに、オーストラリアや日本といった発展市場が、循環的な回復を続けていること」だとJLLグローバル・キャピタル・リサーチチームのプラナーヴ・セトゥラマン氏は言います。ほぼすべてのアジア・パシフィックの大市場で、2018年前半期、ポジティブな投資の成長が見られ、その中でも、香港、韓国、オーストラリアが、3か国平均の成長率が2017年比で110%と顕著でした。また、第2四半期で二桁の減少があったものの、年初の好調なスタートのおかげで中国と日本ではそれぞれ前半期で3%と7%増加しました。



しかし、成長の大きなポテンシャルを抱えているのは、より成熟度の低い市場だとセトゥラワン氏は言います。こういった市場では、透明性の欠如など、多くの要因が重なって、投資を妨げているのだそうです。このような要因が消えれば、これら成熟度の低い市場は、大きな成長推進力となります。「インド、インドネシア、中国といった、成長の助けとなるような人口構成を持つ大規模市場が、地域の将来的な成長には欠かせない状況になっています。」


アジア市場の多くが、投資クラスとして不動産の長期的な成長のためのポジティブな要因を抱えています。たとえば、インド、インドネシアおよびベトナムでは、それぞれ人口が13億人、2億6100万人、9300万人となっており、中流階級が増加、都市化が急激に進み、若年層も多く、ガバナンスおよび不動産の透明性において改善されてきています。



JLLベトナムの国担当ステファン・ワイアット氏は、「ベトナムは、不動産市場のすべてのセクターにおいて、今後も多くの外国人投資家を引き付けるでしょう。購買力の増加、消費者支出の増加や都市部の人口増加と若い人口構成を背景に、ベトナム市場はここ最近一層魅力的になってきています。」と話しています。さらに、JLLのグローバル不動産透明性インデックス2018にもあるように、ベトナムは、透明性の一つ上のカテゴリーに向けて順調に前進しています。ベトナムは今や、前進し、将来の持続可能な発展に向けて最大限の可能性を発揮するために必須の要素を備えているのです。


他のアジア諸国は、決定的な切り札に欠けています。例えば、中国は老齢化が進み、フィリピンは政治的な不透明さをかかえています。しかし、ほとんどの市場の基礎的要件は、不動産にとってポジティブな状態です。


政府の政策もまた不動産に好影響を与えています。インドの不動産規制開発法(2016年)により透明性は高まってきており、中国当局も複数世帯向け賃貸住宅の開発の後押しをしています。


アジアの発展市場、特にオーストラリア、香港、日本では地域内外のクロスボーダーの資本を引き寄せています。JLL社は、シドニーおよびメルボルンのCBD(中心業務地区)のオフィス市場において、2017年それぞれ26%、13.4%の増加があったにもかかわらず、今年さらなる賃料の成長があると予測しています。



最新のJLLのリサーチでは、リスクフリーレートとプライム不動産利回りのギャップは今後も縮まるとしています。グローバル不動産セクターに投資マネーが流入するにつれ、資産価格も上がり、プライムオフィスの利回りも2009年第1四半期のピークから221ポイント下がって2018年第2四半期では4.69%となりました。これは、現在の景気循環の中でも最低レベルとなっています。


不動産セクターへの資金の流入は今後も続くとみられ、カーネル大学およびホーズ・ワイル&アソシエイツの研究によると、機関投資家のポートフォリオでの不動産向けの配分は、2017年初めて10%を超えました。不動産向けの配分は2013年から120ポイント上げ、今年はさらに20ポイント上がるとみられています。


金利がやや上昇する中、JLL社はプライム不動産の利回りの圧縮がまだあるのではないかと見ています。というもの、現在の景気循環において、利回りは、金利よりも市場の基礎的要件に準じているからです。アジア・パシフィックのポジティブな基礎的条件をもってすれば、不動産市場における好調とより多くの投資を見込めるでしょうとJLL社は締めくくっています。

(出所:JLL Vietnam