オーストラリア不動産投資| デメリット5つを購入前に徹底チェック!

2024/10/25

監修: 不動産のエキスパート 風戸裕樹



「海外不動産投資先として、オーストラリアはどうだろう?」

「オーストラリア不動産投資を検討する際に知っておくべきデメリットは?」


シドニー、ゴールドコースト、メルボルン、パース...。

魅力あふれるオーストラリアでの不動産投資を検討される方も多いのではないでしょうか。

とはいえ、遠く離れたオーストラリアで大きな買い物をするのには不安もありますよね。


この記事では、オーストラリア不動産投資のデメリット5つを、専門家が詳しく解説します。

最後まで読むことで、オーストラリア不動産投資特有のデメリットを事前に把握できます。


デメリットを理解し、しっかりと投資計画に組み込むことで、「こんなはずじゃなかった」を回避しましょう。

海外不動産投資に興味がある方、オーストラリア不動産投資について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。


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オーストラリア不動産投資5つのデメリット


オーストラリア不動産投資のデメリットは主に5つあります。

①非居住者の外国人による不動産取得には規制がある
②外国投資審査委員会の許可がないと購入できない
③空き家税がある
④州によって異なる税制 (その1) - 印紙税
⑤州によって異なる税制 (その2) - 土地税


では、一つずつ見ていきましょう。



①非居住者の外国人による不動産取得には規制がある


オーストラリアに居住していない外国人が購入できる物件は、基本的に次のものに限られます。

新築物件(誰も住んだことがない物件)
オフ・ザ・プラン(Off-the-plan)と呼ばれる完成前の物件
空地(※4年以内に建物の建設を完了すること)

注意すべき点は、中古物件が購入できないことです。

長期滞在ビザを保有していなくても、外国人が土地・建物いずれの購入もできるのはオーストラリアの魅力です。

しかし、どのタイプの住宅でも購入できるわけではないので、事前に確認しましょう。



②外国投資審査委員会(FIRB)の許可がないと購入できない


購入できる不動産の種類の要件を満たして終わりではありません。

非居住の外国人がオーストラリアで不動産を購入する際には、外国投資審査委員会(FIRB)の許可が必要です。

FIRBの許可を取得するためには、オーストラリア国税局(ATO)に申請し、費用を支払う必要があります。

申請費用は、住宅価格によって異なります。

たとえば100万オーストラリアドルの物件の場合、申請費用は14,700ドル(150万円弱)です。

決して無視できない金額ですので、予算に必ず入れておきましょう。

オーストラリア国税局のウェブサイトによると、2024年7月1日~2025年6月30日の申請費用は以下の通りです。



FIRBの許可を得ないと罰則もあります。

2022年には、オーストラリア連邦裁判所が、外国投資規則違反に対する初の罰則命令を下し、25万ドルの罰金を科した例も報道されています。

罰金を受けた外国人は、FIRBの許可を得ずに、メルボルン郊外に複数の不動産を購入していたということです。

FIRBの許可を受けることを、購入のプロセスの一部としてしっかり認識しておきましょう。




③空き家税がある


オーストラリアには、Vacancy Feeと呼ばれる空き家税があります。

オーストラリアに居住用不動産を所有する非居住の外国人所有者は、毎年空き家税の申告が義務付けられています。

所有する不動産が1年の半分(183日)以上空室である場合、税金を支払うのです。


空き家税は、対象物件の決済日にしたがって決定される基準年「Vacancy Year」をもとに年間で支払いをします。

金額の基準となるのは、FIRBの許可のための申請費用です。

オーストラリア国税局のウェブサイトによると、2024年4月9日以降に開始するVacancy Yearについては、空き家税が2倍になりますので注意が必要です。


たとえば、100万オーストラリアドルの物件で14,700ドルのFIRB申請費用を支払った場合、その物件が6か月以上空き家だと、Vacancy Feeは年間29,400ドルとなります。

購入した不動産をどのような形で利用するのか、事前に検討・対策しておくと良いでしょう。



④州によって異なる税制 (その1) - 印紙税


オーストラリアで不動産を購入すると、印紙税が課されます。

この税率は、州によって異なります。

外国人に対して、追加の印紙税を課す州もありますので、確認が必要です。

2024年8月1日現在、日本人に人気の都市における印紙税は以下の通りとなっています。



シドニー(ニューサウスウェールズ州)
●不動産の売買:最大5.5%
※住宅用不動産の売買価格が363万6,000ドルを超える場合、7%のプレミアム料率適用
●外国人による住宅不動産の購入に対する追加印紙税:現状8%→2025年1月1日から9%に
(出所:ニューサウスウェールズ州政府

メルボルン(ビクトリア州)
●不動産の売買:最大6.5%
●外国人による住宅不動産の購入に対する追加印紙税:8%
(出所:ビクトリア州歳入局

パース(西オーストラリア州)

●不動産の売買:最大5.15%
●外国人による住宅不動産の購入に対する追加印紙税:7%
(出所:西オーストラリア州政府

ゴールドコースト(クイーンズランド州)
●不動産の売買:最大5.75%
●外国人による住宅不動産の購入に対する追加印紙税:8%
(出所:クイーンズランド州歳入局



上記の表のとおり、外国人による住宅不動産の購入に対して、州によって異なる税率の追加税がかかることも考慮しましょう。

ただし、この追加税については、日本人にとって嬉しい動きもあります。

2023年、ニューサウスウェールズ州は、この印紙税と⑤でご紹介する土地税について、以下の7か国の外国人に対する追加税の課税を停止すると発表しました。

・日本
・ノルウェー
・インド
・スイス
・ニュージーランド
・ドイツ
・フィンランド
・南アフリカ

連邦政府とこれら7か国との間の租税条約の「無差別条項」に、外国人に対する追加税が反するからだと説明しています。

今のところ、ニューサウスウェールズ州以外では今のところ同じ動きは見られませんが、常に最新情報のチェックを心がけましょう。




⑤州によって異なる税制 (その2) - 土地税


オーストラリアで土地を購入すると、土地税が課されます。

この税率も、印紙税と同様に、州によって異なります。

外国人や自宅として住んでいない所有者に対して、追加の税率を課す州もありますので、確認が必要です。

2024年8月1日現在、日本人に人気の都市における土地税は以下の通りとなっています。



シドニー(ニューサウスウェールズ州)


●一般税率:最大1.6%(一般)、最大2%(高額不動産)
一般: $1,075,000、高額不動産: $6,571,000の控除額あり
●外国人が保有する土地に対する追加税率:現状4 %→2025年から5%に
(出所:ニューサウスウェールズ州政府

メルボルン(ビクトリア州)
●一般税率:最大2.65%
●不在所有者追加税率:4%(自身の居住用でない土地の所有者に対して、2024年1月1日~)
●空地税:1%(メルボルンの中・内郊外にある住宅用地で、1暦年内に6ヶ月以上空き地のままになっている場合)
●Covid-19債務徴収税(2024 年 1 月 1 日~10 年間)
・土地の価格が 5 万ドル以上 10 万ドル未満 - 500 ドル(固定)
・ 土地の価格が 10 万ドル以上 30 万ドル未満 - 975 ドル(固定)
・土地の価格が 30 万ドル以上 - 975 ドルの固定料金に加え、0.1% の土地税率引き上げ(上記の最高税率 2.65%に含まれる)
(出所:ビクトリア州歳入局

パース(西オーストラリア州)
●一般税率:最大2.67%
●外国人が保有する土地に対する追加税率:なし
●首都圏整備税率 :0.14%(首都圏の土地については、一般税率に上乗せ)
(出所:西オーストラリア州政府

ゴールドコースト(クイーンズランド州)
●一般税率:最大2.75%
●不在者、外国法人、外国信託の受託者が所有するすべての課税対象土地にかかる追加税率:3 %
(出所:クイーンズランド州歳入局



このように、州によって細かく税金が異なってきますので、門家の助けを借りるのが良いでしょう。



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まとめ

今回は、オーストラリア不動産投資のデメリットとして以下の5つをご紹介しました。

①非居住者の外国人による不動産取得には規制がある
②外国投資審査委員会の許可がないと購入できない
③空き家税がある
④州によって異なる税制 (その1) - 印紙税
⑤州によって異なる税制 (その2) - 土地税



日本に住みながらオーストラリアの不動産を購入する際には、規制があります。

取得できるのは、新築かオフ・ザ・プラン物件という竣工前の物件です。


また、購入する物件の要件をクリアしていても、外国投資審査委員会(FIRB)の許可を取得する必要があります。

購入する物件の価格に応じた費用の支払いが必要です。

空き家税もありますので、購入した物件を6か月以上空き家にする予定の方は注意しましょう。


州によって税制が異なる点も頭に入れておく必要があります。

特に注意すべきは印紙税と土地税です。

通常の税率に加えて、外国人や不在者に課される追加税率、コロナ負債徴収税などがあります。

購入を検討する際は、物件金額の他に、支払う税金の目安も必ず把握しておきましょう。


デメリットだけ読むと怯んでしまいそうですが、オーストラリア不動産ならではのメリットもあります。


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デメリットを把握しつつポイントをおさえた投資をすることで、オーストラリア不動産投資のメリットを享受しましょう。

そのためには、現地の手続きに精通したエージェントの助けを借りるのがおすすめです。


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最後までお読みいただき、ありがとうございました。