[オーストラリア] 2023年11月の住宅市場は都市によって異なる動き

2023/12/26


オーストラリア・ナショナル銀行(NAB)は、オーストラリアの住宅市場が、ますます多様化した状態で2023年を終えようとしていると述べています。11月の全国住宅価格指数(Home Value Index)は名目上回復しましたが、各都市、各地域の市場は全く異なるスピードで動いていると述べています。



11月の全国指数の上昇率0.6%は、成長サイクルが2月に始まって以来、月間の上昇率としては最小でしたが、指数を過去最高値に達しました。2022年4月のピークから2023年1月の谷まで7.5%下落したのち、11月末までで8.3%の上昇が見られました。 全体として、市場が下降局面で底を打つのに9ヵ月、そこから回復するのに10ヵ月と、住宅価格の「V字回復」を実現しました。



各州都では、異なるスピードの動きがますます顕著になり、メルボルンとホバートは-0.1%、ダーウィンは-0.3%と3都市では月間で値下がりが見られました。シドニーの住宅価格の伸びも減速、わずか0.3%上昇と、これまでの回復サイクルを通じて月間の上昇幅が最小となりました。シドニーの住宅価格の上昇率は、11月の最終週にはマイナス成長に転じており、NABは、この動きについて、シドニーもメルボルンに続き、12月には安定もしくはマイナス圏に移行する可能性を示唆していると指摘しています。



一方、パースの住宅価格は11月に加速し、2021年3月以来最大の月間上昇率1.9%を記録しました。ブリスベンは1.3%上昇し、アデレードは1.2%上昇でした。これら3都市の住宅価格は記録的な高水準にあります。NABによると、広告されている物件は著しく少ない一方で、購買活動は平均水準を上回っています。




(出所:ナショナル・オーストラリア銀行

(画像:UnsplashのEriksson Luoが撮影した写真)