2023/12/12
フィリピンの大手デベロッパー、アヤラランド社は、同社の不動産投資信託であるAREIT社に、さらに230億ペソ相当の資産を組み込みます。
これは、AREITが姉妹会社のACEN社から67億7,000万ペソ相当の工業用地を取得することを発表したことに続くものです。
今回組み込まれる資産には、マカティの旗艦資産であるアヤラ・トライアングル・ガーデンズ・タワー2、高級モールのグリーンベルト3および5、アヤラセンターのホリデイ・インおよびスイーツ・マカティ、セダ・アヤラ・センター・セブがあります。
アヤラランドとグリーンヘブイン・プロパティ・ベンチャーズ社、セブ・インシュラー・ホテル社は、これらマカティおよびセブの不動産と引き換えに、1株34ペソで6億4,215万株のAREIT株を受け取ります。
この取引は、2024年2月に開催されるAREITの臨時株主総会での株主承認と、関連規制当局の承認を得たうえで行われることになっています。
資産と株式の交換に加え、AREITはパラワン州エルニドのセダ・リオを、姉妹会社のエコノース・リゾート・ベンチャーズ社から11億9,000万ペソで買収するとも発表しました。この買収の効果は、2024年第1四半期のAREITの収益にすぐに効いてくるとみられています。
「工業用地を含む優良商業用不動産の取得は、不動産セクターの様々な成長機会を活用するため、ポートフォリオを大幅に拡大・多様化するというAREITの目的に沿ったものです。さらに、土地を取得することに、AREIT の株主は、物件から保証された賃貸収入を得ながら、長期的な資本増価の可能性を享受することができるのです。」と、AREIT は声明で述べています。
AREITのキャロル・ミルズ最高経営責任者(CEO)は、同社はAREITの事業拡大を加速させるための基盤を整えつつあると述べています。
「アヤラランドの商業施設やアヤラ・グループの他の戦略的不動産の豊富なパイプラインにより、AREITは大きく成長し、域内のREIT事業者と同等の市場プレゼンスを獲得することができるようになります。」と述べたうえで、ミルズ氏は、シッピングモール、オフィス、ホテル、工業不動産など、程よいミックスの資産獲得を計画し、ポートフォリオを広げることで、特定のセクターに偏るリスクを軽減するようにしたと説明しています。
ミルズ氏によると、AREITは2024年3月までに、取得予定の全物件の交換証書を作成し、証券取引委員会(SEC)に承認申請する予定です。
「新株は発行され、組み入れた資産からの収入は承認後にAREITに発生します。これまでの資産組み入れと同様、AREITは、来年の第2四半期中に予定されているSECの承認までに、スポンサーが株式のブロックオファーを実施することで、最低浮遊株比率の条件を遵守します。」とミルズ氏は述べています。
(出所:Malaya)
(画像:UnsplashのSian Labayが撮影した写真)
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