[マレーシア] 中央銀行、今年3度目の利上げ

2022/09/08


マレーシア中央銀行は、価格の圧力に対抗するため、今年3度目となる利上げを行いました。一方で、成長を支えつつインフレを抑制すべく、今後のさらなる引き締めについては確定ではないことを示唆しています。



▼マレーシアの政策金利推移(出所:Trading Economics



2022年9月8日、マレーシア中央銀行は、翌日物の政策金利を25ベーシスポイント上げて2.50%としました。ブルームバーグが19人のエコノミストに対して行った調査で、1人を除く全員が予想していた動きとなりました。



中央銀行は、既定の手続きにのっとるのではなく、あくまでデータに基づく判断をしていくと述べています。「今後の金融政策の調整は、慎重かつ段階的に行い、確実に金融政策が緩和的な状態を保つようにする」としています。


リンギットは、今週に入って、1998年アジア通貨危機以来、最も低いレベルまで価値を落としました。



▼MYR/USD為替レートの推移(出所:xe

9月8日13:30時点:1MYR=0.222169USD




今回の利上げの判断は、コロナの制限として最後まで残っていたマスク着用義務を緩和した翌日のことでした。コロナ対策の緩和により、今年、国内の繰延需要がぐっと伸び、第2四半期の国民総生産(GDP)は、過去1年で最も早いペースで拡大しました。


「経済はより力強くなっています。パンデミック期間ほど、大規模な支援は必要ありません。」と、中央銀行は、利上げ判断後のプレゼンテーションで述べています。今年の利上げは、これで累計75ベーシスポイントとなりました。



経済の再開は、消費者物価の上昇を伴いました。7月には、記録的な食品価格の上昇の中、過去14カ月で最も高いレベルとなる4.4%を記録しました。中央銀行は、消費者価格の上昇は第3四半期をピークに、その後は世界的な商品価格の落ち着きを反映して、その後はゆるまってくると予測しています。ヘッドライン・インフレ率(総合インフレ率)から相対的に価格変動が大きい食品価格とエネルギー価格を除外したコアインフレは、平均すると、今年の2%~3%予測の上限に近いあたりに落ち着くと見ています。




(出所:Bloomberg

(画像:UnsplashのTech Dailyが撮影した写真)