2021/07/20
[マレーシア] ベルジャヤ社、自社保有の5つ星ホテルのみを集めたREIT設立視野に
ベルジャヤ・コーポレーションは、グループが運営するものではなく、保有する5つ星ホテルだけを集めたホスピタリティREIT(不動産投資信託)の設立を長期的な視野にいれている、とグループのCEOアブドゥル・ジャリル・アブドゥル・ラシード氏が話しています。
2021年にCEOに任命されたアブドゥル・ジャリル氏は、グループのホスピタリティ部門の運営モデルは、徐々に運営者モデルから所有者モデルへとシフトしていると話しています。
「現在、私たちはホテルを所有し、ベルジャヤブランドで運営しています。しかし、時がたつにつれて、そういった形式は存在しなくなり、私たちは純粋に所有者となっていく予定です。例えば、京都のフォーシーズンズホテルのように、私たちが物件を所有し、国際的な専門の運営者にホテルの運営を任せるのです。」
これについて、アブドゥル・ジャリル氏は、同社のホスピタリティ部門について、長期的には、運営は行わず、所有だけする形で、5つ星ホテルだけを集めたホスピタリティREITの設立を視野にいれているからだと説明しています。
アブドゥル・ジャリル氏は、グループのホスピタリティ部門を中国やベトナムのように徐々に市場から撤退して、日本のような場所での5つ星ビジネスだけに集中する方向にシフトしたい考えであると明かしました。
「日本は好きです。私たちにとって良いホスピタリティ市場です。そして私たちの経験から、建物や土地がからむホスピタリティ事業をやろうとするならば、しっかりとした規制の枠組み、法的なインフラ、そして法律がある先進国でやりたいのです。」
アブドゥル・ジャリル氏は、セイシェルのリゾート2軒、スリランカのリゾート1軒、ベトナム・ハノイとフィリピンのホテル各1軒ずつを売りに出したことも明かしました。
「これらの物件を売りに出したのは、地理的な観点からです。これらの地域では、競争力がもうあまりないと感じたからです。」と述べています。また、パンデミックによって、ホスピタリティ部門については、しっかりと集中していかなくてはいけないことを気づかされたと加えています。
2021年~2024年のベルジャヤグループの3か年戦略で、負債を現在の50億リンギットから25億リンギットに減らす計画について、アブドゥル・ジャリル氏は、今後もコアでない資産の売却を進めて、現時点では新しい資産の取得は行わない、と語っています。
アブドゥル・ジャリル氏は、グループの創始者であるヴィンセント・タン氏に対して、現時点では新しい取引はせずに、売却に徹すること、手広くやるのではなく、現在すでにある特定のものに非常に長けていくことに集中したいと話している、と述べています。
(出所:News Straits Times)
(画像:Image by micro200 from Pixabay )
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