[フィリピン] BPO企業、拠点設置はマニラ首都圏よりも地方に

2023/03/16


不動産サービス会社KMCサヴィルズによると、次のオフィスの設置場所として、マニラ首都圏よりも地方を好むビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)企業が増えています。



2月後半に、フィリピン・タギッグシティで行われたブリーフィングで、KMCサヴィルズのリサーチ&コンサルタントのシニアマネージャー、フレデリック・ララ氏は、セブ、クラーク、イロイロのオフィススペースの空室率の低下に見られるように、BPO企業が首都圏(NCR)以外に移動していることが顕著になってきていると語りました。



イロイロの空室率は5%で、マニラ首都圏の空室率20%を大きく下回っています。



「マニラ首都圏はどちらかというと弱気です。地方市場については非常に強気です」とララ氏は述べました。



また、KMCサヴィルズは、マニラ首都圏のオフィススペースで正味成約面積が回復しても、2025年まで稼働率が85%を超えることはないと見ています。



KMCサヴィルズの2022年第4四半期のレポートには、「上位のサブマーケットは、オフィスの供給過剰の長期化を回避できるかもしれないが、マカティCBD(中心業務地区)とオルティガスセンターは、BPOセクターのオフィス需要が地方市場に負けてしまった場合のリスクにさらされている」とあります。



ララ氏によると、マニラ首都圏のオフィススペースの賃料が稼働率を維持するために下がっている一方で、地方の賃料は1平方メートルあたり500~600PHP(約1202円~1443円)に向かっており、オルティガスやアラバンのオフィススペースの賃料に近づいています。



また、地方の価格は過去10年間で2倍以上になったと述べています。



フィリピン情報技術・ビジネスプロセス協会(IBPAP)は以前、業界の成長の54パーセントをNCR以外の地域で調達することを目標としていると述べています。



IT-BPO業界は、2028年までに590億ドルの収益と250万人のフィリピン人を雇用することを目標としています。



ララ氏は、ITBPO業界はこの10年で海外からのフィリピン人送金を追い越し、今後も国内の不動産セクターや経済全体の成長ドライバーであり続けるだろう、と付け加えました。




(出所:Philippines News Agency

(画像:Unsplashのkate.sadeが撮影した写真)