2021/11/17
ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)業界が、2008年の世界通貨危機の時のように、不動産市場の回復を先導すると見られています。
2021年10月末、総合不動産サービス会社コリアーズ・フィリピンのオフィスサービス部門ダイレクター、ドム・フレデリック・アンダヤ氏は、市場の概況について、米国の経済の再開するにつれて、BPO業界からの力強いオフィススペース需要が見込まれると述べました。
「現在、世界通貨危機の際に起こったのと同様に、アウトソーシングを回復・再建の戦略とすることは今後重要になってきます。」
アンダヤ氏は、BPO業界は収益・正社員雇用ともに8%の成長が見込まれており、中でも成長をけん引するのは、金融サービス、銀行、保険、そしてソフトウェア開発・ゲーム開発などの高レベル業務などだと述べています。
BPO業界は、メトロマニラの入居可能なオフィススペースの吸収するのに役立つだろうと期待されています。現在、メトロマニラでは178万平米のオフィススペースに空きがでています。これは、賃貸可能面積30,000平米の建物が60棟空いているのに相当します。
アンダヤ氏は、この178万平米の空きオフィススペースの吸収にかかる期間は3.5年程度だろうと予測しています。
メトロマニラ以外では、BPO企業はセブ、パンパンガ、イロイロ、バコロド、ダバオといった地域にオフィススペースを求めています。
アンダヤ氏はこれについて、職場と在宅ワークの組み合わせたハイブリッド型の働き方の採用、そしてフィリピン経済特区庁(PEZA)に登録されたITパークや建物の空きなども、BPO企業を中心とした企業の投資戦略に影響を与えることになりそうだと話しています。
「企業の中には検討を進めており、このような疑問を持っているところがあります。PEZAに登録した企業は、BOI(投資庁)など特定のロケーションで事業活動をすることを求めない他の投資振興機関から変わることは可能なのか?と。ロケーションに縛りがないと、ハイブリッド型の働き方を実施するにあたって柔軟性が出てきます。」
貿易大臣兼BOIの議長であるラモン・ロペス氏は、PEZAに登録されているか、BOIに登録されているかに関わらず、BPOはCREATE法の下、同じインセンティブを受けることなるだろうと述べています。
PEZAに登録している企業については、PEZAに登録されたITパークや建物、または経済特区内に入っていなければなりませんが、BOIに登録している場合には、ロケーションに制約はありません。
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