[マレーシア] アフォーダブル住宅2021年前半期には明るくなる見通し

今年のマレーシア不動産市場は軟調な状態が続いていますが、来年にはアフォーダブル住宅を中心に見通しが明るくなってくるとみられています。

[マレーシア] アフォーダブル住宅2021年前半期には明るくなる見通し



今年のマレーシア不動産市場は軟調な状態が続いています。


回復期の活動制限令(Recovery Movement Control Order)に基づく市場活動の再開と国家経済回復計画(PENJANA)に基づき今後行われようとしている様々な措置とともに、徐々に景気回復に向かうという政府の予測に対して慎重ながらも楽観的な見方が出てきているにもかかわらず、弱気な状態です。


回復のペースは、政治的な安定性、世界の原油・商品価格、さらにCovid-19パンデミックに関連する状況の進展具合など、国内、国外両方の要因に依存しています。


国家不動産情報センター(NAPIC)によると、不動産市場は2020年前半期大きく落ち込みました。2020年第2四半期に-17.1%となったマレーシア経済と足並みをそろえる形となりました。(2020年第1四半期は、-0.7%)


しかし、マレーシアの2020年第3四半期のGDPは、第2四半期の二桁収縮17.1%から収縮のペースをぐっと抑えた2.7%にとどまりました。


2020年前半期、不動産市場では、115,476件の取引、総額469.4億リンギット(約1.2兆円)を記録しました。2019年前半期の160,165件、685.3億リンギット(約1.8兆円)と比較すると、取引量では27.9%、金額では31.5%減少しました。


2020年第3四半期、NAPICによると、取引量は2019年第3四半期の83,085件から89,245件となり、前年同期比の増減率は5.5%から7.4%へと改善しました。


これをけん引したのは、レジデンシャル不動産、続いて農業不動産、開発用地その他、商業および工業不動産となっています。


一方で、2020年第3四半期の取引金額は、前年同期の346.2億リンギット(約8,912億円)から337.8億リンギット(約8,696億円)へと減少、前年同期比の増減率も4.6%から-2.4%へと減少しました。


マイホーム購入を促進しようと、政府は、PENJANAのもと、持家キャンペーン(Home Ownership Campaign(HOC))を再導入し、2020年後半期には初めてマイホームを購入しようとする人々を市場に呼び込むだろうと市場関係者は期待を寄せています。


市場関係者は、これにより購入予定者の不動産市場へのアクセスが容易になり、現在の売れ残り物件状況の緩和につながるのではないかと見ています。


HOCに基づくと、30万リンギット(約769万円)から250万リンギット(約6,411万円)の価格帯のレジデンシャル不動産の購入にかかる権利移転およびローンにかかる書類について、デベロッパーが少なくとも10%の割引をすることを条件として、印紙税が免除となります。


権利移転の書類にかかる印紙税免除が住宅価格の最初の100万リンギット(約2,564万円)に限定される一方で、ローン契約にかかる印紙税全額免除は、2020年6月1日から2021年5月31日の1年間に締結された売買契約にかかる融資契約について適用されます。


これにより、不動産購入にかかる印紙税がかなり少なくなる、あるいはゼロになるということです。残念ながら、外国人バイヤーにはこの印紙税免除は適用されません。


さらに、マレーシア中央銀行は翌日物の政策金利を1.75%に据え置く決定をしたことも、強力な政策のサポートと相まって、住宅を求める人にとっては魅力となるでしょう。というのも、低金利により支払利息を節約することができるからです。


こういった努力に支えられ、マレーシア不動産・住宅デベロッパー協会(REHDA)は、不動産市場の見通しについて、慎重ながらも楽観的な見方を示しており、Covid-19の国内感染の新たな広がりがなければ、2021年前半期には改善が見られるのではないかと期待しています。


また、不動産市場は価格の修正局面にあり、2020年前半期にはより多くのアフォーダブル住宅が販売されました。


NAPIC局長によると、2020年前半期に発売されたプロジェクトは、300,000リンギット(約772万円)未満が半数を占め(6,657戸)、300,001~500,000リンギット(~約1,287万円)が28.9%(4,476戸)、500,000リンギット超(約1,287万円~)が21.1%(2,161戸)であったということです。


2020年第3四半期、NAPICは、レジデンシャル不動産の新規発売は6,087戸で、コンドミニアムが2,960戸、土地付き物件が3,127戸だったと発表しています。


2020年第3四半期、300,000リンギット未満の価格帯が50.5%(3,073戸)、300,001~500,000リンギットが24.7%(1,505戸)、500,001リンギット超が24.8%(1,509戸)となりました。


NAPIC局長はこれについて、市場が自然と修正を行ったと指摘します。過去数年、高価格帯の発売が多くみられていましたが、現在は30万リンギット以下の発売が多くみられるようになっているということです。


価格設定については、NAPIC局長によると、30万リンギット以下の物件がレジデンシャル市場において最も需要をつかんでいるということで、デベロッパーは、この価格帯のアフォーダブル住宅により注力すべきであると述べています。


プロパティグル(PropertyGuru)マレーシアの不動産市場インデックスに基づくと、2020年第3四半期、不動産市場が引き続きCovid-19パンデミックの影響に対応していることもあり、クアラルンプール、スランゴール、ペナン、ジョホールの提示価格が下落方向にあります。


プロパティグルによると、マレーシア不動産の全体的な提示価格は、2020年第3四半期に1.34%減少したということです。対照的に、2020年第1四半期は0.63%、第2四半期は0.38%の増加でした。


ちなみに、完成済みにもかかわらず売れ残っているレジデンシャルユニット問題を解決し、国内の不動産開発をより組織だったものにするために、住宅・地方政府省は、住宅総合データシステムを開発しており、来年にも運用開始することが期待されています。


スライダ・カマルディン大臣は、同省が「空室税」を来年にも導入し、レジデンシャル在庫を一掃できないデベロッパーに対して課税していくことを提案したとも述べています。


大臣は、NAPICのデータに基づくと、31,611戸、200.3億リンギット(約5,137億円)が、2020年前半期には売れ残りとなっていると述べています。2019年後半期は、30,664戸、188.2億リンギット(約4,845億円)でした。

(出所:New Straits Times

(トップ画像:Photo by Zukiman Mohamad from Pexels)