2022/12/01
フィリピン中央銀行は、11月の年間物価上昇率が7.4%~8.2%の範囲内に入ってくると予想しています。電力および農作物からの上向きの価格圧力を反映しました。
フィリピンのインフレ率は、2022年10月、過去約14年で最も高い7.7%を記録しました。中央銀行は、天候不良による供給サイドの要因によるインフレを表すコストインフレの影響が徐々に失われるにつれて、今後数カ月でインフレは減速してくると予想しています。
また、フィリピン中央銀行のフェリペ・メダーリャ総裁は、「大きなショックがなければ」来年の第1四半期にも、利上げをいったん止めることにすると述べています。
フィリピン中央銀行は、インフレを抑えこむため、またアメリカの積極的な金融政策により、ドルに対して急激に価値を落としたフィリピンペソを支えるため、今年に入ってから6会合連続で政策金利を引き上げて、5%にまで持ってきました。
メダーリャ総裁は、最低限のシナリオとして、2023年の第1四半期にアメリカの連邦準備制度理事会が政策引き締めの動きを止め、政策の歩調を合わせなければというフィリピン中央銀行への圧力が緩むのではないかとの見方を示しています。
フィリピン中央銀行も来年利上げの動きを止めるかどうかについて、状況次第では来年第1四半期になるだろうとメダーリャ総裁は回答しています。
今年に入って、アメリカの連邦準備制度理事会は、1980年代以降で最も早いペースで利上げを行い、過去4回、各会合で75ベーシスポイントの大幅利上げを行って、政策金利を現在の3.75%~4%の幅まで引き上げました。
連邦準備制度理事会のジェローム・パウエル議長は、最終的に金利はさらに上がることになるだろうと示唆する一方で、来月の会合での利上げはやや速度を落とすと見られています。
フィリピン中央銀行のメダーリャ総裁は、中央銀行には、データに基づき全体的か部分的かを決めるにせよ、アメリカの動きに対応する余地があると述べています。
中央銀行の今年最後の金融政策決定会合は、12月15日に行われる予定となっています。
(出所:Business Inquirer)
(画像:UnsplashのNikko Balanialが撮影した写真)
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