[フィリピン] 中央銀行総裁:プラス成長第1四半期にも

2021/01/12

[フィリピン] 中央銀行総裁:プラス成長第1四半期にも


2021年1月7日、フィリピン中央銀行(Bangko Sentral ng Pilipinas (BSP))は、フィリピン経済が第1四半期にもプラスの成長率を記録する兆しを見せていると述べました。


マニラ・ロータリークラブのバーチャル会議で、BSPのベンジャミン・ディオクノ総裁は、2020年第4四半期の経済成長率は「わずかにマイナス」となりそうだが、2021年の第1四半期はプラスとなりそうだと述べました。


これは、中央銀行が行った最新の調査で、企業、消費者ともに楽観的な見方が強まっていることが分かったからです。


ディオクノ総裁は、フィリピンの全体的な企業マインドを示す、企業信頼感指数(Busines confidence index)が、2020年7月~9月の-5.3%から、10月~12月には10.6%と急速に改善したこと、消費者信頼感指数(consumer confidence index)も7月~9月の-54.5%から-47.9%に改善したことを挙げています。


製造活動の主要な指標ともなっている、季節調整後の企業の購買担当者らの景況感を集計した購買担当者景気指数は、11月には49.9まで上昇し、景気判断の基準となっている50まであと一息のところまで来ています。


ディオクノ総裁はまた、パンデミックの中いかに人々の行動が変化したかを知る手がかりとなるグーグル・モビリティのレポート結果でも、楽観的な見方の背景となりうるものが見えてきていると言います。


ディオクノ総裁は、「レポートでは、リテール、レクリエーション、職場での活動が着実に改善してきており、経済活動の上昇を示唆している」と述べています。


「特に、日用品と薬局の数値は、ベースラインの期間に近いところまで来ており、コミュニティ隔離措置の前のレベルまでもうすぐです。」


ディオクノ総裁はまた、自宅に留まる人の数も2020年の4月と比べると、12月では大幅に下がったと述べています。


公共交通機関の選択肢が現在限られていることから、乗り継ぎ駅活動は-46%と抑えられた状態が続きました。


フィリピンは、2020年第3四半期のGDP成長率が-11.5%を記録し、不況状態が続いています。2020年第1四半期は0.7%、第2四半期は過去最悪の-16.9%でした。これにより、2020年1月~9月累計で、GDPは-10%となりました。


2021年についての政府の公式GDP予測は、6.5%~7.5%となっています。


(出所:Manila Times
(トップ画像:Photo by Charles Deluvio on Unsplash )