2021/06/28
[フィリピン] 中央銀行、金利を過去最低レベルに据え置き
フィリピン中央銀行(Bangko Sentral ng Pilipinas(BSP))は、2021年6月24日も、主要金利を据え置きとしました。国の超緩和的金融政策が、国の経済回復の助けになっている兆候を示しました。
オンラインで行われた会見で、中央銀行のベンジャミン・ディオクノ総裁は、金融政策決定会合が、銀行が融資金利の決定の際に使用する、翌日物の借入金利を2%に据え置く決定をしたことを発表しました。
▼フィリピン翌日物の借入金利の推移(過去25年)(出所:Trading Economics)
翌日物の預金金利、貸付金利も据え置かれ、1.5%、2.5%となっています。
ディオクノ総裁は、金融政策決定会合が、過去数週間で経済活動が改善している点を認識しているものの、まだコロナ感染の脅威が去ったわけではないので、景気回復の勢いについては一時的なものである、と述べています。
しかし、対象を絞った財政の取り組みを持続的に実施し、政府のワクチンプログラムを加速させることで、市場の信頼感を高め、今後数か月で景気回復につなげられるのではないかとも加えています。
ディオクノ総裁によると、最新のインフレ予測では、政府の目標幅である2~4%の上限付近に落ち着きそうだということです。
記者団宛てのEメールによる声明で、ING銀行・マニラのシニアエコノミスト、ニコラス・マパ氏は、BSPがフィリピン経済の成長をうまく引き出せるようにするまでは、このレベルの金利を「もうしばらく」続けるのではないかと述べています。
価格の圧力が弱まり、インフレが今後数か月で目標内に収まりそうので、マパ氏は、BSPは今年の残りの期間も金利はそのままで、来年央当たりから上げてくる可能性があると予測しています。
(出所:Business Inquirer)
(画像:Photo by RJ Joquico on Unsplash )
もっと詳しく知りたい方はこちら