[フィリピン]中央銀行:今後数四半期は低金利続く

フィリピン中央銀行(BSP)のベンジャミン・ディオクノ総裁は、ベンチマーク金利を「今後数四半期は」低い状態に保つと話しています。

[フィリピン]中央銀行:今後数四半期は低金利続く

フィリピン中央銀行(BSP)のベンジャミン・ディオクノ総裁は、ベンチマーク金利について、新型コロナウイルスの打撃を受けた経済を支えるべく「今後数四半期は」低い状態が続くものの、マイナスの領域には入らない、と述べています。


2020年、中央銀行が行った利下げは合計で200ベーシスポイント、翌日物借入金利、貸出金利、預金金利をそれぞれ過去最低の2%、2.5%、1.5%としました。


ディオクノ総裁は、BSPが現在の金利をさらに引き下げることはあるかという問いかけに対し、「約束はしたくないが、インフレのレベルにもよるし、さらなる金融緩和策が必要かどうかにもよる」と答えています。


消費者物価指数は、2020年12月3.5%にまで加速しました。食料と輸送価格が速いペースで上昇したことにけん引されました。


しかし、ディオクノ総裁は、金利がゼロを切ることには消極的です。「まだ従来の金融政策を行う余地がある」と話しています。


2020年12月17日の金融政策委員会の政策金利決定会合では、政策金利は据え置きとなりました。穏やかなインフレ環境に加えて、コロナウイルスワクチンの展開により世界経済に回復の見込みが高まったからです。


歴史的な低金利にもかかわらず、貸付は伸び悩み、2020年10月は1.9%と、2006年9月以来の緩やかなペースとなりました。


同時に、ディオクノ総裁は、預金準備率(RRR)のさらなる引き下げも検討していると話しています。


「預金準備率についてはまだやることが残っています。2023年、私の任期が終わるときまでに、預金準備率を1桁にするというコミットメントをしています。」


政策金利決定会合は、2020年に預金準備率を400ベーシスポイント下げる権限を付与されていましたが、BSPは300ベーシスポイントまでしか下げませんでした。大手銀行が200ベーシスポイントの引き下げ、貯蓄銀行と地方銀行は100ベーシスポイントの引き下げでした。


これにより、総合銀行、商業銀行の預金準備率は12%に、7月31日より貯蓄銀行の預金準備率を1%引き下げ3%に、地方銀行は2%となりました。


フィリピンユニオン銀行のチーフエコノミスト、ルベン・アスンシオン氏は、「利下げの代わりに、BSPは預金準備率の引き下げをしてくるかもしれません。というのも、ディオクノ総裁の預金準備率を1桁にまで下げるという目標と方向性が合致しているからです。」とコメントしています。


ING銀行のシニアエコノミスト、ニコラス・マパ氏は、近々発表される2020年第4四半期のGDPのデータが、預金準備率のさらなる引き下げに踏み切るかどうかをBSPが判断する基準となるだろうと述べています。


フィリピン統計局が2020年第4四半期のデータを2021年1月28日にリリースしたばかりです。フィリピン統計局によると、2020年第4四半期のフィリピンのGDP成長率は-8.3%、2020年通年では-9.5%でした。BSPの2021年最初の政策金利決定会合は2月11日が予定されていますが、前回の預金準備率の引き下げは通常の会合のスケジュール外で行われました。


▼フィリピンGDP推移(出所:統計局)


(出所:Business World OnlinePhilippines Statistics Authority

(トップ画像:Photo by Jeanne Paredes on Unsplash)