2022/07/15
フィリピン中央銀行(BSP)は木曜日、上昇する消費者物価を抑え込むべく、利上げサイクルから外れた75ベーシスポイントのアグレッシブな利上げを発表し、金融市場に衝撃が走りました。
金融政策決定会合は、翌日物の借入金利、預金金利、貸付金利をそれぞれ3.25%、2.75%、3.75%としました。同日から適用されています。
▼BSPの今年に入ってからの利上げ(プロパティアクセス作成)
BSPのフェリペ・メダーリャ総裁は、2022年8月18日に予定されていた金融政策決定会合を待たずに緊急の利上げに踏み切りました。
「再び政策金利を上げるにあたって、金融政策決定会合は、現在行っている金融政策の正常化の中、拡大し続ける価格の圧力の兆候を受けて、さらなる金融政策の引き締めが必要であると判断しました。」と説明しています。
金融当局は、今年これまで経済が力強い回復を見せており、国内経済がさらなる金融政策の引き締めを支えられることを示している有利な状況であると認識しています。
金融政策決定会合は、素早く行動を起こすことで、インフレ期待を安定化し、高まるインフレ見通しの脅威を和らげようとしています。今回の政策措置は特に、インフレ期待を押し下げるような他国からのスピルオーバー効果を管理するのに役立たせる意図があると見られています。
今回のBSPの利上げ判断は、5月、6月に2回連続で行われた合計50ポイントの利上げに続くものです。
リサール商業銀行(Rizal Commercial Banking Corp.)のチーフエコノミスト、マイケル・リカフォート氏は、中央銀行による予想外の利上げは、2001年から実施されている価格安定任務とインフレ目標の枠組みにかかる為替レート関連の一連のガイドラインの一部だとコメントしています。
リカフォート氏は、利上げが、実際のインフレとインフレ期待の両方をよりよく管理し、定着させる上で役に立つだろうと述べています。
また、7月27日に行われる次の米国連邦公開市場委員会で、米国連邦準備制度理事会が0.75から1.00ポイントの大幅利上げを行い2.50%から2.75%にまで上げてくる可能性を前にして予防策にもなります。でなければ、金利格差が米ドル有利に傾き、以前の国内の政策金利2.50%が連邦準備制度理事会のレートと珍しく同等かそれ以下になってしまう、とも解説しています。
「もし必要であれば、アメリカの高いインフレ率を下げるための連邦準備制度の利上げに応じて、さらなる国内政策金利の利上げの可能性もあるでしょう。さらなる国内政策金利の利上げは、部分的には、ペソの為替がどのように動くか、インフレへの影響、ならびに実際のインフレデータに応じて行われることになるでしょう。」とリカフォート氏は、予測しています。
国内の政策金利が高くなればなるほど、それがインフレ率の6.1%を超えないとしても、消費者や家庭はもちろん、企業や政府、その他機関にとって、資金調達費用や借入コストがあがることになります。
(出所:Manila Times)
(画像:Image by titus_jr0 from Pixabay )
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