[カンボジア] 政府、2024年初頭にキャピタルゲイン課税を実施へ

2023/11/27


カンボジア税務総局は、2024年1月よりキャピタルゲインに対して20%の課税を行うことを発表しました。



経済財務省税務総局のコン・ヴィボル局長は、2023年9月15日に行われた税金に関する特別生放送の中で、キャピタルゲイン税の導入の準備ができたことを発表しました。



ウィボン局長は、キャピタルゲイン税の導入が、近年停滞気味なカンボジアの不動産セクターには影響しないと述べています。



局長によると、不動産所有者のキャピタルゲインに対する20%の課税は、政府が利益総額の80%の控除を認めた後に適用されるということです。



つまり、100万ドルのキャピタルゲインがあったときに、80万ドルを控除することができ、残りの20万ドルに対して20%の課税がされる計算となり、この場合のキャピタルゲイン税額は4万ドルとなります。



政府がキャピタルゲイン税を導入することになり、特に不動産業者は、不動産業が停滞していることから、事業への影響を懸念しています。



これに対して、局長は、キャピタルゲイン税の導入は人々を不当に扱うものではないことを強調、カンボジアの貧困層を支援するために不動産販売から政府資金を生み出すためのものであると付け加えています。



キャピタルゲインに対する課税は、農村開発プログラムや病院、学校、道路、井戸、池などの建設を通して、困っているカンボジア人のためになるのだと説明しています。



「もし私たちが利益を出している人たちから(税金を)徴収しないとしたら、他の誰に課税することができるでしょう?また、売却して損失を出した人や、不動産売却に関与していない一般市民からは、国は税金を徴収しないのです。」と述べています。



「このキャピタルゲインは、不動産を売るなら払わなければいけないものですが、利益を出していないなら、払う必要はないのです。」と説明しています。




カンボジアのキャピタルゲイン税とは?

PwCの「Worldwide Tax Summaries」によると、カンボジア経済財務省(MEF)は、不動産、リース、投資資産、営業権、知的財産(IP)、外貨の売却・譲渡に対するキャピタルゲイン課税を実施するためのプラカス(省令)No.346を発行しています。キャピタルゲインに対する税率は一律20%です。


キャピタルゲイン税の計算

不動産の場合、納税者は①課税所得の80%の標準的な税額控除、②証拠書類を添付したうえで実費控除のいずれかを選択できることになっています。その他の資産の売却や譲渡によるキャピタルゲインについては、納税者は実際にかかった費用に基づいて税額控除しなければなりません。



納税者は、キャピタルゲインを実現してから3ヶ月以内に税務申告書を提出し、キャピタルゲイン税を納付しなければなりません。



同省令では、キャピタルゲイン税は2020年7月1日から適用される予定でした。しかし、MEFはキャピタルゲイン課税の実施を2024年1月1日に延期すると発表しています。




(出所:CambodianessDFDLPwC

(画像:UnsplashのPaul Szewczykが撮影した写真)