[マレーシア] CBREリサーチ:不動産業界は2021年後半の回復ゆっくりと

2021/07/12

[マレーシア] CBREリサーチ:不動産業界は2021年後半の回復ゆっくりと


マレーシアの不動産業界の今年後半の回復は、原材料の供給問題など、建設業界が直面する課題によって減速する可能性があるようです。


CBREリサーチ・アジアパシフィックのエグゼクティブ・ディレクター、アダ・チョイ氏は、マレーシアの賃貸市場については横這いになるだろうと述べています。2021年に賃料の下落は5%以下とほとんどないと予想しているからです。


「アジア太平洋地域の他のいくつかの国と同様に行ったロックダウンにもかかわらず、コロナウィルスの現在の並みは、比較的早く制御できるでしょう。状況の改善は見られると思いますが、需要がまずは反映されて、賃料のレベルも回復してくるでしょう。」


「地域的には、日本とインディアの回復が遅れるものの、経済はリバウンドしてくるでしょう。」と、6月央に行われた「ASEAN Real Estate: Path To Recovery(仮訳:ASEAN不動産:回復への道)」と題されたメイバンクのインベストASEAN2021のバーチャルセッションで述べました。


オキュパイアー(入居者)リサーチのヘッドかつデータ・インテリジェンス・管理のヘッドでもあるチョイ氏は、シンガポールの賃貸市場はすでに安定化を始めており、投資も戻りつつあると言及しています。


今後のオフィス賃貸に限っていうと、チョイ氏は、家主にはユーザーエクスペリエンスについて考え直す必要があるだろうと述べています。というのも、入居者はスペースを使う際にもはや賃料やロケーションだけでなく、フレキシブルオフィスのオプション、共有の会議スペース、持続的または最新のテクノロジーなど建物の特性を見ていくことが考えられるからです。


チョイ氏によると、同社が行ったリサーチによると、回答者の96%がオーストラリア、香港、シンガポールを始めとして、投資レベルを引き上げる予定であると回答しており、域内の不動産セクターへの投資は伸び続けています。


このことは、物流、特定のセグメント、つまりコールドストレージ、リテール、ホテルの付加価値づけや改修などのセグメントにオポチュニティがあることを強く示しているとチョイ氏は指摘しています


「今年新規の不動産投資が10%増加すると予想しており、コロナ前のレベルには満たないものの、まずまずの成長率です。」


チョイ氏は、入居者の需要が安定的に回復してくるのは、より多くの人が職場に戻り、ハイブリッド型の働き方への理解が深まる2021年後半だと予想しています。


「全体として、いまだテナント市場ではありますが、そんなに長くは続かないでしょう。多くの市場で、賃貸・レンタルセグメントが回復を始めるからです。」


「入居者は、市場が改善回復の前に行動を起こすべきです。投資活動が勢いを付けてきていますので、より競争が高まるでしょう。」



(出所:New Straits Times

(画像:Image by Diego Marquez from Pixabay )