[フィリピン] セブオフィス市場の回復始まる

2021/08/31


総合不動産サービス会社コリアーズは、2021年前半期、セブのオフィス市場は成約面積がネットでプラスとなり、回復に向かい始めていると報告しています。


コリアーズのセブ担当ジェネラルマネージャーのジェラルド・トーマス・パドリガ氏によると、オフィススペースのネット成約面積が、2021年前半期、約11,000平米となりました。


パドリガ氏は、「成約面積」には、オフィスの拡大や新規設立を含むオフィス取引が含まれるとして、市場がすでに回復に向かい始めていることを示唆していると述べています。


パドリガ氏は、世界経済の回復と、税制改革法「CREATE法」の施行とともに、ワクチンプログラムが2021年以降、オフィスセクターを押し上げることに期待を寄せています。


CREATE法は、中小零細企業については法人所得税率を30%から20%に、その他の企業については25%に引き下げています。



第2四半期のオフィススペース需要増


2021年第2四半期、セブのオフィス市場の空室率は、第1四半期の22%からやや下がって21.7%となりました。


パドリガ氏によると、今年の通年での空室率予測は24.8%、来年は29.8%となっています。これは、より多くのオフィススペースの完成が見込まれているからです。


賃料については、セブ・ビジネス・パーク(CBP)の賃料がセブの主要なオフィス市場で最も高値を付けており、平米当たり500ペソ~700ペソ(約1,100円~1,550円)となっているということです。


しかし、賃料は交渉の余地があるようです。


パドリガ氏は、「家主は、テナントを確保すべく、賃料を下げることによりオープンになっています。CPBで発生した取引のほとんどにおいて、家主が賃料を調整し、家主とテナントともにウィン・ウィンのシナリオを達成しています。」と説明しています。


需要については、従来の会社や政府系機関、コワーキングスペースなどの従来型の入居企業が、1月~6月に取引のあったオフィススペースの39%を占めました。


ビジネス・プロセス・アウトソーシング企業およびナレッジ・プロセス・アウトソーシング企業がそれぞれ33%、28%でした。


(出所:Manila Times、Business World Online

(画像:Image by Firmbee from Pixabay)