2022/04/20
フィリピンのオンラインニュース「Business Inquirer」掲載の、総合不動産サービス会社コリアーズの記事をご紹介していきます。
フィリピン経済は2020年にマイナス成長を記録しましたが、その後回復を続け、様々な指標から、今年はその回復がさらに加速すると見られています。
コリアーズは、これにともない、フィリピン不動産市場も回復に向かっていると言います。特に、この堅調なGDPの成長の恩恵を受けるのは、セブだと述べています。セブは、メトロマニラ外では、国内最大のコンドミニアムハブであり、フィリピン国内でも競争力のある都市のひとつです。また、セブは、インフラネットワークの改善と国外で働くセブ人からの持続的な送金のおかげで、今年はさらに力強い成長を見せる可能性を秘めています。
コリアーズ・フィリピンは、セブでは、2022年以降もレジデンシャルへの投資を検討する人、マイホームの購入を考えている人から健全な需要があると述べています。デベロッパー各社が精力的に土地を取得し、プロジェクトを完成させていくでしょう。また、主要インフラプロジェクトの完成で、レジデンシャル物件はさらに恩恵を受けることになりそうです。
コリアーズは、セブのコンドミニアムユニットの需要について、特にインテグレーテッド・コミュニティー(必要なものが全て揃ったタウン開発)内を中心としたオフィス賃貸活動の回復、そしてレジャー市場のコンドミニアムプロジェクトは入国制限の緩和にけん引されるだろうと考えています。また、待ちに待った観光業の回復の恩恵も大きいでしょう。
コリアーズによると、メトロマニラ外のオフィススペースの成約も継続的に進んでいるようです。2021年、国内のオフィス取引の19パーセントは地方のものでした。セブのレジデンシャル需要は、オフィス賃貸活動の増加に支えられそうです。2021年、セブはメトロマニラ外のオフィス取引では最大の38,600㎡の取引がありました。地方のオフィス取引全体の35%に相当します。
また、コリアーズは、デベロッパー各社に対して、オフィスタワー、レジデンシャルコンドミニアム、モール、そして公共機関が入った、複合用途コミュニティの需要に対応するようにも提言しています。
メトロセブ高速道路、セブ・コルドバ接続道路などの大規模インフラプロジェクトの完成もまた、メトロセブ内のインテグレーテッド・コミュニティー内にあるコンドミニアムプロジェクトの魅力を高めそうです。賃料・価格ともに上昇することが期待されるからです。セブ空港の拡張も、マクタンエリアのレジデンシャル物件の需要を引き上げることになるでしょう。
2021年供給量は15%増
コリアーズのデータによると、2021年の新築コンドミニアムユニットは6,627戸でした。2020年の5,762戸から15%増加しました。2022年から2024年には毎年約6,500戸が完成予定で、2017年から2019年の年平均5,100戸を上回るペースです。この期間の供給の99%を占めるのは、セブ市、マンダウエ市、ラプラプ市です。
オフィスの成約⇒レジデンシャル成約
コリアーズはレジデンシャル需要を支える要因として、消費者信頼感の回復と海外で働くフィリピン人労働者(OFW)からの持続的な送金も挙げています。
オフィススペースの成約面積が増えることで、セブのレジデンシャル市場の需要も高めることにつながりそうです。フィリピン経済特区庁(PEZA)認可のオフィススペースが空いていれば、セブでの拡大を狙っている情報技術ビジネスプロセスアウトソーシング(IT-BPM)企業や従来企業にも魅力的です。
パンデミック後のセブのレジデンシャル部門は有望だとコリアーズは締めくくっています。
(出所:Business Inquirer)
(画像:Photo by Angelyn Sanjorjo on Unsplash )
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