2020/06/01
[フィリピン] セブ市は6月1日から15日までGCQ
セブ市のエドガルド・ラベラ市長は土曜日(5月30日)、新型コロナウィルス感染対策のための省庁横断タスクフォース(IATF-EID)が、セブ市を「一般的なコミュニティ隔離措置(GCQ)」にという市長の訴えを聞き入れたと発表しました。
省庁横断タスクフォースは、セブ市を「高リスクHUC(高度都市化都市)」に指定し、GCQよりも1段階厳しい「修正を加えた強化されたコミュニティ隔離措置(MECQ)」を適用する決議第40号を水曜日(5月27日)に発行していました。
しかし、5月29日、省庁横断タスクフォースは、決議第41号を発行して前回決議を取り消し、セブ市を、ルソン島、ビサヤ諸島、ミンダナオ島のその他の地域と同様、リスク指定を下げてGCQとする決定をしました。
ラベラ市長は、「GCQのもとでは、より多くの事業が再開でき、収容人数を減らした形になりますが、公共交通機関も運行できるようになります。」と自身のソーシャルメディアページに投稿しています。
セブ州の州都であるセブ市がGCQへと移行するにあたって、ラベラ市長は新型コロナウィルス(Covid-19)の脅威に対して警戒を続けるようにと市民に呼びかけています。
最新の決議第41号では、省庁横断タスクフォースは、中部ビサヤ地方の4つの州と、メトロセブの3つの高度都市化都市(セブ市、マンダウエ市、ラプラプ市)が、GCQ指定地域に加わっています。しかし、これら3つの都市については、ハイリスク都市とみなし、「医療システムのパフォーマンス、収容能力、監視・隔離・治療の手順がきちんと守られているかのモニタリング要」だとしています。
決議第41号ではさらに、セブ市に対して、ゾーニング(区画制)と優先バランガイの詳細計画を提出するようにも命じています。
金曜日(5月29日)の時点で、セブ市のCovid-19感染者数は2,144人、死者は27人でした。一方で、セブ市の保健所は同日、Covid-19から回復したとして、合計792人を退院させています。
ラベラ市長はまた、セブ市をGCQにといる訴えを、Covid-19対策タスクフォース(National Task Force Against Covid-19)チーフのカルリート・ガルベスJr.補佐官へとつなぐ支援をしてくれたとして、マイケル・ロイド・ディノ大統領補佐官率いるプロジェクト・バリック・ブハイ(Project Balik Buhay(PBB))への感謝の意を示しています。プロジェクト・バリック・ブハイは、Covid-19の封じ込めや治療といった保健対策と、人々が生計を立てるための経済活動の再開とのバランスをめざすプロジェクトです。
「プロジェクト・バリック・ブハイの科学的なデータベースと戦略的なアプローチのおかげで、エリアの特定ができ、パンデミックのレベルが落ち着いてきていることを突き止めました。また、問題が残るエリアだけを特定できたので、(そのエリアにだけ)部分的なロックダウン態勢を敷くことができます。」
ディノ補佐官側も、保健省が行った、セブ市、マンダウエ市、ラプラプ市の137のバランガイのうち135で行った抗体陽性率に関する調査が、省庁横断タスクフォースがメトロセブのリスク区分を決定するうえで役立ったと述べています。
「データ駆動型で、かつ証拠に基づいた、PBBを通じた科学的なアプローチは、省庁横断タスクフォースがセブ市をGCQに引き下げる意思決定をするうえでのゲームチェンジャーとなった」とディノ補佐官は決議の中で述べています。
PBBは、セブ州の主要3都市の全世帯人口の10%に相当する、目標39,650人よりも8%多い、42,654人に対して抗体診断テストを実施し、「調整された、科学的で、証拠に基づく、ECQからGCQへの移行」に貢献しました。
ディノ補佐官は、有病率検査は、今後はロックダウンを村レベルで行い、市・州レベルでは行わないとするロドリゴ・ドゥテルテ大統領の指令とも方向性が一致していると話しています。
「有病率検査をすることで、地方政府は敵がどこにいるのかを見極めることができます。どのエリアに感染があるのかを確定するために、逆転写PCR法や抗体テスト(RAT)を使うことで、やみくもにCovid-19と戦う必要がないのです。」とディノ補佐官は話しています。
(出所:Philippines News Agency、Manila Bulletin)
(トップ画像:Photo by Hitoshi Namura on Unsplash )
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