2022/05/31
タイ最大のリテールデベロッパー、セントラル・パタナ社(Central Pattana Plc)が、東南アジア市場でもすでにプレゼンスのあるマレーシアとベトナムへの新しい投資の機会を窺っています。
同社は、海外進出戦略のもと、様々なビジネスの成功を共に達成していくための、地域のリテールプラットフォームになることを目指しています。
マレーシアでは、国内初となるタイのショッピングモール「セントラル・アイシティ(Central i-City)」を、スランゴール州シャーアラムのFinance Avenue @ i-Cityに設立しました。
このモールの建設費は8億5,000万リンギット(約248億円)で、スランゴール州のスルタンにより、2019年6月15日、正式オープンが宣言されました。
セントラル・アイシティは、セントラル・パタナが60%、I-Bhdの子会社である、アイシティ・プロパティーズ(i-City Properties Shd Bhd)が40%を出資するパートナーシップです。
6階建てのモールには、リテール、キオスク、ポップアップストア、合わせて約350店舗が入り、リテールスペース全体では約87,330平米あります。集客の中核となるアンカーテナントには、百貨店そごう(約18,580平米)、東南アジア最大のサムスン・オニクスLEDシネマスクリーンが入るTGVシネマ(約3,715平米)、ヴィレッジ・グローサー(約3,715平米)があります。
I-Bhdは、ファイナンス・アベニューを中心とした100億リンギット(約2,910億円)のスマートテクノロジーシティ「アイシティ」のマスターデベロッパーです。メルク・メイバンク、ダブルツリー・バイ・ヒルトン・アイシティ(7月オープン)、セントラル・ウォーク、ザ・アイシティ・コンベンションセンター、レジデンス、さらに目玉となるリテールがすべてファイナンス・アベニューに集結しています。
セントラル・パタナのチーフ・デベロップメント&コマーシャル・オフィサーの、チャナワット・ウアワタナサクン氏は、ショッピングセンター事業におけるNo.1リーダーとしての地位を固め、バンコクCBDのハイポテンシャルエリアへの参入を計画していると話しています。
現在、セントラル・パタナは、タイ国内外に、50軒の大型プロジェクトに加えて16軒のコミュニティモールを抱えています。
「私たちの強みのひとつは、私たちのプロジェクトの、各エリアにおける「center of life(生活の中心)」としての位置づけです。すべての要素をすばらしいシナジーでまとめあげる心臓として、リテールのある複合用途開発のカギを理解することができています。」と話しています。
タイでの投資額1,200億バーツ
セントラル・パタナは、事業の5か年計画の一部として、タイ全土の30省において、リテールを中心とした複合用途開発プロジェクトに、総額1,200億バーツ(約4,485億円)を投資する計画を発表しました。
同社の社長兼CEO、ワラヤー・チラティワット氏によると、同社は2026年までにプロジェクトポートフォリオを180以上にまで拡大しようとしています。
セントラル・パタナは、ショッピングモール、レジデンシャル・プロジェクト、オフィスビル、ホテルの4つの中核事業を、今後5年間で成長させたい考えです。リテール物件が、全収益の72%を占めている一方で、非リテール物件は残りの28%となっています。
同社は、リテールスペースを270万平米、オフィススペースを50万平米、ホテル客室4,000室、高層および平面レジデンシャルプロジェクト68件を、6つのブランドのもと全ての市場セグメントで展開しようとしています。
ワラヤー氏によると、セントラル・パタナはビジネスの拡大を断固として決意しており、各プロジェクトは、リテールを中心とした複合用途開発になるようです。
「ロケーションとその土地のニーズが合えば、私たちの中核事業のそれぞれが、独立して拡大するポテンシャルを伸ばしつつも、私たちのエコシステムの中で成長することができます。結果として、セントラル・パタナの各事業グループとセントラルグループは、持続可能なエコシステムを完成させ、強化し、そしてタイの経済が前に進むお手伝いをするのです。」
「複合用途プロジェクトの開発において、私たちがフォーカスするのはショッピングセンターでのアクティビティだけではなく、家での生活、職場での仕事、そしてホテルでのレジャーとリラクゼーションなのです。」と、ワラヤー氏は述べています。
(出所:New Straits Times)
(画像:Photo by Patrick Langwallner on Unsplash )
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