マレーシア不動産購入で物件以外にかかる費用

2018/02/09

マレーシアで不動産購入する際の注意点については、こちらを参照ください。

マレーシアで不動産購入する際の費用

マレーシアの不動産価格

2009年以上、マレーシアの不動産市場は急激に成長してきました。しかし、2016年末にかけて、その価格の急上昇はやや緩やかになってきているようです。2016年第4四半期には、前年同期比で価格は5.36%の増加(3.81%のインフレ反映後)、一方で前年度は前年同期比で7.35%(4.61%のインフレ反映後)の伸びでした。


住宅価格変動(対前年比、%)

住宅価格インデックス(2000年=100)

(出所:Global Property Guide) 

マレーシアでの物件コストの概算は?

マレーシアの住宅価格は、ロケーションによって大幅に左右されます。驚くまでもなく、最もマレーシアで高額な物件は、首都であるクアラルンプールに集まっています。クアラルンプールの平均物件価格、772,126マレーシアリンギット(約2,123万円)は、マレーシア全土平均の2倍以上です。しかし、クアラルンプールの住宅価格は過去数年で他の州ほどには高騰をみせていません。

 上述のとおり、マレーシアで物件を購入しようとする場合、その価格はロケーションが大きく左右します。下の表が示すように、2大都市の平均価格にも大きな隔たりがあります。

 興味深いことに、ジョージタウン(ペナンの州都)では、中心部と郊外では、物件の平均価格はあまり変化がありません。小さな町でありながら、人気のエリアが多いために、住宅の価値は、他の大きな都市と比べても一定しています。

 

都市
平方メートルあたりの購入価格
(中心部,USドル)
平方メートルあたりの購入価格
(中心部以外,USドル)
クアラルンプール
$2,593
$1,342
ジョージタウン
$1,547
$1,116

(出所:TransferWise

 

物件価額の最低条件は?

 マレーシアで物件を買おうと考えている外国人は、各州が設定した最低購入価格以上の物件であれば購入することができます。州により、その最低金額は異なりますが、一般的に100万リンギット(約2,750万円)から200万リンギット(約5,500万円)の間になります。州によっては、外国人が購入することのできる物件に制約をかけている場合もあります。たとえば、外国人が所有する家は、ゲーテッド・コミュニティ(ゲート(門)を設け周囲を塀で囲むなどして、住民以外の敷地内への出入りを制限した敷地)になければいけないなどとしている場合もあります。

 多くの州、例えばクアラルンプールおよびジョホールなどでは、100万リンギットと定められています。セランゴールやペナンでは、島内の物件を購入する場合は、200万リンギットとなっています。ペナンでも、マレーシア本土の物件の場合には、最低価格は100万リンギットとなっています。


外国人がお得に物件を購入するには?

マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(Malaysia My Second Home (MM2H))プログラムは、マレーシアでの長期滞在を希望する外国人のためのプログラムです(10年ビザ)。マレーシアで働く多くの外国人が、すでにマレーシアでのリタイア後の生活を夢見てこのプログラムに申込をしています。

 申込の前に、外国人は以下の条件を満たす必要があります。

・50歳未満:少なくとも500,000リンギット(約1,375万円)の預金および月収10,000リンギット(約27.5万円)の収入証明
・50歳以上:少なくとも350,000リンギット(約963万円)の預金および月収10,000リンギット(約27.5万円)の収入証明

 この最低預金額の条件は少々難易度が高いですが、これをクリアするとMM2Hを保有する外国人は、より低い価格で物件にアクセスできるようになる州もあります。以下の表は、外国人がMM2Hあり/なしで購入できる物件の最低価格を表示しています。


州政府の同意(State Consent)

国家土地法(National Land Code)により、外国人はマレーシアで物件を取得するにあたって、州政府の承認を得る必要があります。州政府は査定にあたって、物件のロケーション、タイプ、外国人保有比率などを考慮します。 


デポジット

マレーシアのデポジット支払いは、だいたい10%程度です。しかし、これは何回かの分割払いとなり、「オファーレター/承諾書」に両者が署名した時点で、買い手は約3%のデポジットをおさめ、それから14日以内に売買契約書に署名することになる。この時点で、買い手は残りの約7%のデポジット支払いを行います。デポジットの支払いが完了してから、3か月以内に、物件価格の残高を支払いする必要があります。


税金および費用

マレーシアで物件購入するにあたっての費用は比較的低めで、ほとんどの費用は規定されており、売却された物件の価格をベースに決定されます。すべての費用を足すと、だいたい物件価格に4%くらい乗ってくると考えればよいでしょう。

税金および費用

負担者
印紙税
購入価格の1~3%
買い手
弁護士費用
通常、0.4~1%
買い手
その他事務手数料
180リンギット, 約49ドル程度、調査料やその他事務手数料含む
買い手
不動産エージェント費用
購入価格の3%以下

通常は、売り手。買い手にチャージされることもある
不動産収益税
1-5年以内:30%
6年以上:5%
売り手

 

印紙税

(RM=リンギット)

購入価格または評価額のいずれか高い方印紙税率
最初のRM100,000
1%
以降RM500,000まで
2%
それ以降
3%


 

売買契約にかかる弁護士費用

(2017年弁護士報酬規則(改正)より)

(RM=リンギット)

購入価格または評価額のいずれか高い方
費用の率
最初のRM500,000.00
1.0%(最低RM500.00)
次のRM500,000.00
0.8%
次のRM2,000,000.00
0.70%
次のRM2,000,000.00
0.60%
次のRM2,500,000.00
0.50%
購入価格もしくは評価額がRM7,500,000.00を超えるとき
超過分については交渉可能(ただし、超過分の0.5%を超えてはならない)

※弁護士費用には、6%のGST(物品・サービス税)が課される

 

不動産エージェント費用

不動産エージェント費用は、マレーシア評価人、鑑定士. 及び不動産仲介業者委員会(Board of Valuers, Appraisers and Estate Agents Malaysia (LLPEH))により定められています。コミッション3%は、買い手または売り手のどちらかが負担しますが、一件当たり1,000リンギットが最低料金として課されます。 

(出所: Board of Valuers, Appraisers and Estate Agents Malaysia  (LLPEH)) 

 

その他事務手数料

その他の費用として180リンギット程度が必要になります。これには、印紙料10リンギット(約270円/部)、査定料10リンギット(約270円)、調査料60リンギット(約1,600円)および登記料100リンギット(約2,800円)などが含まれます。

注:文章中の日本円表記は、記事執筆時点での為替(1リンギット=約27.5円)で換算した参考値です。