[フィリピン] CBDのコンドミニアム需要が復活

2022/04/19


オンライン不動産マーケットプレイスプラットフォームの「Lamudi」によると、政府および多くの企業が職場への復帰を命じたことで、フィリピン国内各地の中央業務地区(CBD)のコンドミニアムおよび商業物件の需要が高まっています。



Lamudiによると、最新のデータから、メトロマニラ内のCBDがある市では、商業物件の需要が堅調で、レジデンシャル賃貸の問い合わせも増えているということです。




国の金融街マカティでは、2022年第1四半期のLamudiの賃貸用商業用不動産のリードで最も多かったのが、10万ペソ~20万ペソの価格帯でした。



Lamudiによると、マカティ市のレジデンシャル賃貸は、2021年第4四半期と比べて2022年第1四半期にリードが約40%増加したようです。



「この期間、メトロ以外のエリアの方からの物件の問い合わせが増えました。セブやカランバ、イムスやアンヘレスからの問い合わせが、メトロのリードのトップでした。」



パシグ市の商業物件のリードも第1四半期に増加しました。



Lamudiによると、賃貸用商業用物件で最も人気だったのは10万ペソ~20万ペソ(約24.2万円~約48.4万円)の価格帯で、今年第1四半期最もリードが多くなりました。同じ期間、市内の商業物件の検索が増え、倉庫よりもオフィスの検索が増えました。これは、レジデンシャル賃貸の問い合わせの増加と時期が重なっています。レジデンシャル賃貸の問い合わせは、2022年第1四半期に前四半期比で28%増加しました。



Lamudiは、「ケソン市の商業物件のリードは、2021年第4四半期から2022年第1四半期で、パーセンテージにして2桁増加しました。リードが最も多かったのは、10万ペソ~20万ペソの価格帯でした。」と述べています。



Lamudiは、需要の増加の背景として、最近政府がすべてのPEZA(フィリピン経済特区庁)に登録する情報技術ビジネスプロセスアウトソーシング(IT-BPM)企業に対して4月1日より職場での業務を命じたことを挙げています。



大手のフィリピン企業も、職場への復帰を支持しています。事業活動が活発になることで、景気回復を期待しています。



メトロマニラおよびその他エリアは、最も軽いアラートレベル1に区分されています。Covid-19の感染者数が減り、行動制限が緩和されたからです。



しかし、Lamudiは、従業員への職場復帰を促すために、商業・オフィススペースは、ニューノーマルに適応しなければいけないと述べています。働く人の多くが、パンデミックが2020年3月に始まって以降導入されてきた在宅ワークまたはハイブリッド型の働き方に慣れてしまっているからです。



Lamudiのケネス・スターンCEOは、オフィスへの復帰は不動産関係者にとっては有望なオポチュニティとなるものの、在宅勤務に慣れてしまった従業員にアピールできるような商業スペースを作るという点では課題もあると言います。



「ワークライフバランスを促進するような付加価値のあるアメニティがあることは不可欠です。たとえば、ワーキングマザーが子どもを職場に連れてこられるようなデイケア施設やアクティブなライフスタイルを取り入れやすいようにフィットネスセンターなどです。」とスターン氏は述べています。




(出所:Business World Online

(画像:Photo by Phil Monte on Unsplash )