フィリピン・パシッグの丸紅とDMCIコンドミニアムプロジェクトについて

2024/01/08


フィリピンのコンスンジ財閥の不動産会社DMCIホームズ(DMCI Homes)は、日本の丸紅株式会社とパシッグ市にコンドミニアムを開発します。



東京で行われたASEANサミットのために来日したフェルディナンド・マルコスJr.大統領が、両者の覚書(MOU)の締結セレモニーに立ち合いました。



同プロジェクトは、ヴァレロン・タワー(Valeron Tower)と呼ばれる55階建てのレジデンシャルコンドミニアムで、E.ロドリゲスJr.アベニュー沿いに建設される予定です。総ユニット数は1,962戸です。




▼プロジェクトの完成予想図(出所:丸紅ニュースリリース




丸紅のASEAN地域における旗艦不動産投資プロジェクトとして、2024年第1四半期の販売開始を目指すということです。



オンラインニュース「Manila Standard」によると、丸紅の海外不動産事業部 松尾シニアマネージャーは、丸紅はフィリピン不動産部門への参入に力を入れており、建設会社としての専門性、商品の差別化、そして強力な販売チームを持つDMCIホームズを理想的なパートナーだと考えていると話しています。



「数年にわたって行ってきた市場調査の結果、DMCIホームズがパートナーとしてベストだと分かった」とコメントしています。



DMCIホームズのアルフレッド・アウストリア社長は、今回の提携関係が、DMCIホームズと丸紅の専門分野を融合する上での重要な一歩を意味すると述べています。



「今回の提携は、フィリピンにおける、良質な暮らしの追及、住宅購入者のための革新的な住宅ソリューションの提供を推進していくという両社のコミットメントを意味する」とコメントしています。



DMCIグループは、LRT2号線東延伸プロジェクト、Maynilad Water Services Inc.(マイニラッド社)コンソーシアム、最近では西ネグロス州での森林再生とプランテーション開発など、過去にも丸紅とのパートナーシップを組んできました。



丸紅フィリピンの下田茂社長は、「DMCIとは、相互信頼に基づいて強い関係を育んできました。これまでのパートナーシップの長さを考えると、今回の合弁事業もまた長期的なものになると予想しています。これはキックオフに過ぎないのです。」と述べています。



覚書締結セレモニーには、他にDMCIホールディングスのイシドロ・コンスンジ会長、丸紅執行役員 金融・リース・不動産本部長 川邉 太郎氏も出席しました。



総合不動産サービス会社コリアーズ・フィリピンは、以前からマニラ首都圏のデベロッパーに対し、住宅プロジェクト開発のために外資系不動産会社とジョイントベンチャー(JV)契約を結ぶことを検討するよう提言しています。


マニラ首都圏に開発可能な土地が少ないことに、高級プロジェクトへの需要が相まって、地元デベロッパーは日系デベロッパーを含む外資系企業と提携せざるを得ないとコリアーズは見ています。


2023年第3四半期現在、2018年から2022年までに立ち上げられた外資系企業とのJVを通じて開発されたコンドミニアム・プロジェクトの成約率は50%から84%だということです。


これらのプロジェクトは、ほとんどが高級・超高級セグメントのもので、総契約価格(TCP)は1戸当たり1,200万~6,880万PHP(約3,080万円~1億7,670万円)となっています。




(出所:Manila StandardColliers

(画像:UnsplashのAlyssa Castorが撮影した写真)