[タイ] デベロッパーは選挙後に注目

2019年3月24日に行われた、軍のクーデター以降初となるタイの総選挙。選挙後の状況に、皆が注目しています。

[タイ] デベロッパーは選挙後に注目


2019年3月24日(日)、タイでは、2014年以降の軍事政権初となる総選挙が行われました。

タイ国内外のデベロッパーが新政権に求めているものは、不動産市場にテコ入れするようなインセンティブよりも、政治的な安定、政策の一貫性と平和的な環境だとバンコクポスト紙は報じています。同紙の記事を見ていきましょう。

コリアーズ・インターナショナル・タイランドのシニアディレクターであり、不動産コンサルタントのヘッドである、バーニー・スウェインソン氏は、外国人投資家たちはタイの不動産セクターへの投資を続けるだろうとしています。

「ジョイントベンチャーによる外国人投資家の不動産投資は、2015年から右肩上がりです。特にその大部分は日系デベロッパーで、今年も引き続き投資するとみられており、総選挙にも前向きな見方をしています。」

コリアーズによると、国内デベロッパーとのジョイントベンチャーによる外国投資は、2015年の500億バーツから、2016年~2018年の間で、550億、750億、1100億バーツと増えてきています。

今年は、その数値がさらに1200億バーツにまで上るとみられています。スウェインソン氏によると、中国からの新たな投資家も参入予定で、大規模な投資が予想されているといいます。

過去5年のジョイントベンチャーによるプロジェクト数を見ていくと、日本と中国が最大の投資元で、それぞれ29%、27%を占めています。これに続くのが、中国と香港が合同で24%、シンガポールが11%、香港が9%となっています。

最も保守的な投資元の一つである日本が、過去5年間タイ不動産セクターで最も積極的な動きを見せてきました。ジョイントベンチャーによるプロジェクト総額のほぼ3分の2が、日本からのもので、3750億バーツほどとなっています。

「日本の投資家たちは、過去5年間で、今年タイで総選挙があるだろうということを知っていたのです。政治的な状況は、外国投資の生命線です。」

ジョイントベンチャーによるプロジェクト総額で日本に続くのが中国で1050億バーツ、香港の550億バーツ、シンガポール230億バーツです。

過去5年間のジョイントベンチャーによるプロジェクト総額のうち80%ほどがレジデンシャル部門への投資、20%ほどがホテル、オフィス、リテールといったコマーシャル物件への投資となっています。

投資家の多くがバンコクに集中しており、続いてプーケット、パタヤ、わずかにプラチュップ・キリ・カーン、ラヨーンおよびパンガーとなっています。

コリアーズのリサーチ部門のアソシエート・ディレクターである、パッタラチャイ・タウィウォン氏は、タイデベロッパーが最大のプライオリティーを置くのは新政権の安定性だと言います。

コリアーズによると、過去5年間、軍政権下での新築コンドミニアムの供給は合計で、245,000ユニット、年平均49,000ユニットとなっています。

一方、2009年~2013年の間に発売したコンドミニアムは、219,000ユニットで、年平均43,000ユニットでした。

「この2つの数字から、政権の安定性が最も重要で、不動産デベロッパーが求めているものだと読み取れます。不動産セクター関連の政策やインセンティブではないのです。」と、パッタラチャイ氏は話しています。

不動産コンサルタントCBREタイランドのマネージング・ダイレクター、アリワッサー・パッタナブット氏は、総選挙が、不動産セクターへの国際的な投資家の自信を後押ししてくれるとみています。というのも、海外投資家はタイの民主主義の回復に対して、前向きな見方をしているからです。

「非常に保守的な投資家は、選挙後の状況に対して懸念を示すかもしれません。もしかしたら政治的な不安があるかもしれませんが、それが過去のように不動産セクターに影響を及ぼすことはないでしょう。」とアリワッサー氏は語っています。

住宅事業協会の会長であるアティップ・ビジャノンダー氏は、タイ不動産の成長は、新しいインフラプロジェクトに頼っているところが大きいので、新政権の政策の一貫性が、不動産セクターをけん引する主要な要因となるだろうとしています。

「新政権は、前政権がスタートした主要な政策を引き続き行うべきです。これが経済の牽引要素となるのです。新政権が推し進めるべきインフラプロジェクトが多数控えています。」

このようなプロジェクトには、3つの主要空港を結ぶ高速鉄道、東部経済回廊(EEC)、複数の県およびバンコクのマス・トランジット路線の複線化などがあります。

アイコン・サイアム、サイアム・パラゴン、サイアム・センター、サイアム・ディスカバリーのオペレータであるサイアム・ピワット社のチーフ・エグゼクティブである、チャダティップ・チュトラクン氏は、同社は、今後5年間で、少なくとも700億バーツを投じる予定なので、新政権には安定と平和的な環境を築いてもらわないとと語っています。

「安定した政府により、タイで働こうとする外国人をさらに引き付けます。東南アジアのリーダーとなるチャンスをつかみ、それを最大限に生かすためには、はっきりとした政策が必要なのです。」とチャダティップ氏は言います。「総選挙は意味深いもので、世界が注目しています。」

「過去10年間、いろいろなことがありました。民間セクターは投資をやめていません。それは我々に良好な基礎があるからです。」

タイ不動産協会の会長であるポーンナリット・チュアンチャイシット氏は、新政権が混乱なく発足すれば、経済は急上昇するだろうと見ています。

タイ証券取引所に上場するデベロッパーが、APタイランドのチーフ・エグゼクティブ、アヌポン・アッサワボキン氏もまた、不安や暴力がなければ、政治が不動産セクターにネガティブな影響を与えることはないとの見方を示しています。

(出所:Bangkok Post

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