[ベトナム] 不動産譲渡の際の虚偽申告が歳入の損失に

2022/06/06


団体や個人が、価格の2本立てで不動産の売買・譲渡を行うケースが横行しており、ベトナム政府の歳入に大きな損失を与えていると言います。2本立てとは、公証済みの契約書に記載の金額の方が実際の購入価格より低い状態です。


税務局は、さまざまな解決策を打ち出しており、自分の利権を保護するためには、実際の価格を正直に申告する必要があると提言しています。


不動産譲渡において、公証を受けた不動産譲渡契約書に記載された住宅価格が、実際の金額よりずっと低いケースが多く存在します。


また、住宅や建設工事の売買契約が未来の日付で作成されるケースもあります。未来の住宅価格が、最初に購入した投資家の購入価格となぜか等しくなっているというものです。他のケースとしては、土地の使用権の証明書を取得したあと、住宅およびその他土地に付属する資産の所有権が付与されるときに、納税者が販売価格を低く申告しようとするものもあります。これも、真実の不動産取引の価値を反映しておらず、国家予算のための歳入の損失となります。



不動産取引活動の管理を推進すべく、財務省は各省および直轄都市の人民委員会、警察および法務省に公式派遣を行い、損失を防ぐための解決策の調整・実施を行っています。


財務省および税務総局は、法にのっとった税金等の計算の基礎として、譲渡価格を適切に申告するように人々および企業に指導してきました。財務省もまた、税務総局に対して、各税務当局に地方の不動産譲渡活動を管理する機関との協力を強化を依頼するよう指示しています。


税務総局は、調整した価格に添付されている保証金契約について公証役場に確認したり、不動産譲渡や不動産購入のための融資に関連する取引について銀行を通して確認したりと、譲渡価格を確認するためのエビデンスを集める方法を複数取り入れています。


税務総局によると、2022年1月から3月で、不動産譲渡による個人所得税収は8.2兆ベトナムドンに達し、前年同期と比較して63%増えました。


今後は、税務当局は、価格に乖離があったときのために、納税者が税を申告する基となったデータベースを天然資源・環境省に提供し、同省が関係当局と連携して、レビューを行い、各省の人民委員会に地価リストを発行するようにすぐに提言できるようにしていくとのことです。


財務省および税務総局もまた、税務当局に対して、不動産譲渡の書類を処理するにあたって、納税者に問題を起こさないようにと指示する一方で、書類の処理の手順についての規則に厳密に従って不動産譲渡関連書類を取り扱うように関係各部署に徹底しました。


長期的には、税務部門は、不動産譲渡の管理のための法的な根拠を改善するために、法政策を改定するよう当局に求めていくことにしています。


税務総局はまた、意図的な違反があった場合には、関係書類を警察に送って調査と厳しい対処を求め、不動産譲渡の透明性を確保していきたいと述べています。




(出所:Vietnam Plus

(画像:Photo by Tron Le on Unsplash )