2020/05/07
[マレーシア] FIABCI:不動産市場は2020年も活発
国際不動産連盟(International Real Estate Federation(FIABCI))のマレーシア支部は、2019年に行われた住宅保有キャンペーン(Home Ownership Campaign(HOC))が成功をおさめ、2020年にも波及効果を及ぼすだろうと予想しています。
FIABCIマレーシア支部プレジデントのマイケル・ゲア氏は、不動産業界はHOCの効果を引きずって2020年に突入し、そのまま継続すると予想されていましたが、2月21日の政治危機により政権交代したことで、具体的な形で表れていないと話しています。
これに続いて新型コロナウィルス(Covid-19)の流行が始まり、感染拡大抑制のために行動制限措置(MCO)が実施されることになりました。
「政変、Covid-19、MCOと続いていますが、不動産業界は活発な状態を保ってきました。今年はこのままレジリエントな状態を保つでしょう。」とゲア氏は国営通信社のベルナマ(Malaysian National News Agency)に対する声明の中で述べています。
マレーシア国立銀行(BNM)が中小企業と個人に対して、6か月の自動的な融資返済猶予を与えたことで、Covid-19の影響を受けた企業と家庭の負担を和らげる結果になったと言います。
クアラルンプールに本社を置くデベロッパー、マーシン・グループがMCO期間中の1週間で、3,500万リンギット(約8.6億円)相当の予約を取り付けたとの情報がある一方で、伝えられるところによると、別のデベロッパーも2020年の販売予想を下方修正するつもりはないという声明を発表したといいます。セカンダリー市場において不動産販売の頭金を回収する動きもあるようです。
不動産業界のこれらの動向に基づいて、ゲア氏は、マレーシア国立銀行が最近発表した、不動産市場は2020年もレジリエントな状態を保ち、グローバルな予測に沿って、2021年にはリバウンドするだろうという声明に賛同しています。
ポストMCOについて、ゲア氏は、今後18か月は、事業も人々もCovid-19と共存していかなければならないと考えています。
事業活動は、マスクの着用やソーシャルディスタンシングの実施などといった新しい衛生基準を満たすために変化を要求されるでしょう。ゲア氏は、この動きがオフィスやリテールセクターの建物管理のニーズに影響をもたらすと考えています。
一方で、オーバーハング状態の高層レジデンシャルユニット数が高止まりしていることについては、ゲア氏は、ロケーションが理由であり、マレーシア国内全体に広がっているわけではないとしています。
「オーバーハング状態のユニット数が多い地区については細かく検証すべきです。しかし、売れ残りのオーバーハング状態のユニット、特に500,000リンギット(約1,228万円)以下のものは、あまり魅力のないロケーションに建てられていることが分かってきています。」
ゲア氏は、不動産セクターが2020年を乗り切り2021年にリバウンドするためには、政府の介入と景気刺激策が欠かせないと述べています。
(出所:New Straits Times)
(トップ画像:Ishan @seefromthesky on Unsplash )
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