[フィリピン] FILREIT、サスティナブルなオフィススペースで成長を導く

2021/09/02

フィリンベストREIT(FILREIT)は、回復力があり、見通しの明るいビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)業界が、パンデミックを乗り越えた先のオフィスポートフォリオの成長を支えることに期待しています。


2021年3月時点、FILREITのポートフォリオの占有済みの賃貸可能面積(GLA)のうち88.4%を有名多国籍BPOが占めており、同社の安定的な収入源となっています。さらに約8.8%は従来のオフィスおよびリテールに賃貸されており、同様に需要が伸びてきています。


FILREITの社長兼CEO、マリセル・ブライオン-リリオ氏は、「多国籍BPO企業と地域本部の安定性および伸びつつある需要が、FILREITの新規株式公開(IPO)に当たって強気な気持ちにさせてくれます。ご存じの通り、BPOはFILREITの占有済み賃貸可能面積の88%を占めています。」と述べています。


フィリピンは世界でも有数のBPO市場です。IT-BPAP(フィリピンITビジネス・プロセス協会)の最新のレポートでは、ITビジネス・プロセス・マネジメント(IT-BPM)業界は、2020年にはほぼ2%の成長を遂げたと報告されており、2021年~2022年の収益5.5%増、従業員5%増に向けて、慎重ながらも楽観的な見方を示していると言います。コリアーズ・インターナショナルもまた、その第1四半期のレポートの中で、IT-BPM業界がパンデミックにもかかわらず成長し、早期回復の兆しを見せていると述べています。


FILREITのポートフォリオには17の建物があり、16棟はモンティンルパ市アラバンにある中心業務地区「フィリンベスト・シティ」内のフィリピン経済特区庁(PEZA)認定ITパーク、「ノースゲート・サイバーゾーン(Northgate Cyberzone)」に位置しています。これら16棟のグレードAビルの賃貸可能面積は全部で30万平米超、うち90%はパンデミックにも関わらず埋まっています。


さらに、FILREITは、2021年3月時点で、入居企業トップ20の更新率が97.6%を記録、FILREITの親会社であり、国内で50年以上の実績を誇るデベロッパー、フィリンベストランドへの入居企業の厚い信頼がうかがえます。


金融サービス業界にデジタルプラットフォームとソリューションを提供する、ビジネス・プロセス・トランスフォーメーション企業「SLKグローバル・フィリピン」を例にとると、ノースゲート・サイバーゾーンで稼働を続けて5年超になります。


SLKフィリピンのジャプジット・ソブティ社長は、SLKグローバルは、長い期間をかけてデューディリジェンスを行ってフィリピンを候補にし、そしてノースゲート・サイバーゾーン・アラバンに絞り込んだといいます。世界クラスのインフラ、公共交通機関へのアクセスの良さ、豊富な人材プール、洪水リスクの低さ、競争力のある賃料、そして従業員の安全が、FILREITの前身であったCPIを選んだ主要な要因だと述べています。


ソブティ氏は、ノースゲート・サイバーゾーンのグレードAビルは、24時間体制のオペレーション、従業員のための快適な職場、そして顧客に対するバリューの創造といった点で、SLKフィリピンのすべての要件を満たしていると言います。


同様の理由で、ルクセンブルクに本社を置く、マジョレル(Majorel)もノースゲート・サイバーゾーンに事業所を構えて7年になります。


同社は、「ノースゲートは主要な公共交通ハブに近いことから理想的なロケーションだ」と述べています。マカティに通うには2時間以上かかっていたような、スーカットやラスピニャスといった南部の地域やカヴィテからの労働力も確保できているということです。新卒の豊富な労働力が確保できることで、採用の幅が広がると述べています。また、質の高いインフラ、地下駐車場、アクセスの良さとプロによる管理を誇るグレードAオフィスに入居することで、最優先する従業員のエクスペリエンスを高めることにつながる、戦略的な動きだったとも述べています。


SLLフィリピンやマジョレルといったBPO企業以外にも、FILREITの安定的な成長を支える理由がいくつかあります。


例えば、5%の平均賃料上昇があります。既存の契約から安定的な収入増が見込めます。将来、フィリンベストランドからREITに賃貸面積約315,000平米のその他物件を組み込むことで、無機的成長も見込めます。


多国籍BPOが特に注目する、持続可能な特徴もあります。FILREITのポートフォリオに属する建物は、エリア開発でLEEDv4ゴールドを取得したフィリンベスト・シティにあるからです。中央業務地区がこのような認証を取得したのはフィリピン初です。さらに、フィリンベスト・シティ内の2棟のオフィスビル、フィリンベスト・アクシス・タワー・ワンとヴェクター・スリーは、LEEDゴールドを取得しています。


FILREITは、アヤラのAREIT、ダブルドラゴンのDDMTに続く、国内3番目となるREITで、一株当たり7ペソの普通株式1,634,187,850株にオーバーアロットメントオプション163,418,785株を売り出します。(出所:FILREIT


提示価格をもとにすると、予想配当利回りは、今年6.3%、2022年は6.6%となっています。



(出所:Business Inquirer

(画像:Image by ejaugsburg from Pixabay)