2021/12/20
フィリピン中央銀行(Bangko Sentral ng Pilipinas(BSP))は、刻々と変わりゆくコロナの中、経済状況の方向性が明らかになったら、2022末までには政策金利を2.75%に上げるとみられています。
金融政策委員会は、12月16日の会合で、翌日物の借入金利を史上最低の2%に据え置く決定をしました。主に、基本的物資の価格の上昇が、引き続きコントロールできる範囲内にとどまるとの自信感によるものです。
フィッチは、最新の「Country Risk & Industry Research(国リスク&業界リサーチ)」の中で、政府は商品供給のボトルネックがインフレを加速させる可能性があるとして警戒感を示していると述べています。
インフレーションは、BSPの目標範囲である2~4%を上回るレベルで推移しています。一部は、食料品およびエネルギーの価格の高騰によるものです。現行のアフリカ豚熱に加え、台風やコミュニティレベルでのロックダウンによる混乱が豚肉の価格高騰に影響しています。
一方で、世界的な物流の混乱、原油価格の上昇もまた、国内のエネルギー価格上昇に響いています。
フィッチは、「オミクロン株が現れたことで、(金融政策)委員会も経済へのダウンサイドリスクを認識している。」と述べ、金融政策委員会は、景気の回復を助けたい思いから、緩和的なスタンスを維持したと加えています。
フィッチは、BSPが緩和的なスタンスから大きくシフトするとは予測していません。BSPは、経済の持続的な回復と貸付残高の伸びが確認され、Covid-19による不確定性が減少してから、利上げサイクルを始めると見られています。
「景気の回復および金融引き締めに向けた市場投資家の圧力の高まりが、BSPの利上げサイクルの開始を促すとみています。2022年は徐々に利上げをし、年末までに2.75%にまで引き上げてくると予想しています。」
2022年に米国の連邦準備制度が政策金利を50ポイント上げるという予測もあり、多国での動きがBSPに利上げの圧力をかけるのではないかともみられています。
(出所:Business Inquirer)
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