2022/06/28
世界的な格付け会社フィッチ・レーティングス(Fitch Ratings)は、2022年6月13日、2022年の世界経済の国内総生産(GDP)成長率予測を2.9%に下方修正しました。
フィッチは、最新のレポートで、世界的なインフレ圧力がロシア・ウクライナ戦争の中で高まりを見せており、成長の見通しへの悪影響がますます懸念されていると述べています。
同社は、中国のCovid-19に対する隔離政策もまた、世界的な製造サプライチェーンに圧力をかけることにつながったとも述べています。
「最も大きな見直しを行ったのは中国の見通しです。3月時点の見通し4.8%から下がって、今年は3.7%を予測しています。上海のロックダウンにより、中国のGDPは2022年第2四半期も引き続き縮小する方向です。「ダイナミックなゼロ」Covid-19政策がまだ実施されているからです。速やかな回復とはならなさそうです。」
フィッチはまた、アメリカの成長見通しを0.6ポイント引き下げて2.9%に、ユーロ圏の見通しを0.4ポイント引き下げて2.6%としました。
同社は、2023年の世界経済成長率予測も0.1ポイント下方修正して2.7%にしています。
フィッチは、ユーロ圏の消費者は、インフレにより実質収入がそれほど伸びないと感じるだろうと述べ、またドイツの工業がサプライチェーンの混乱と中国の低迷に影響を受けているとも指摘しています。
「アメリカの経済は短期的に勢いがついています。消費者支出が、雇用と名目賃金の力強い伸びに支えられています。」とフィッチは強調しています。「しかし、精力的な金融引き締めにより、2023年央には成長は減速し、四半期ベースではプラスになるかならないかの状態になりそうです。」とも加えています。
インフレの圧力が目立ってきて、各中央銀行がそれに対応せざるを得なくなったことで、連邦準備制度理事会の政策スタンスはより限定的なものになりそうです。
フィッチのレポートでは、予想よりも好調だったトルコ経済についても触れられています。
輸出に比べて輸入が急激に減ったものの、投資額が追加的なサポートを与えることになり、貿易収支の増加が成長を支えた、とフィッチは解説しています。
トルコ経済は、今年4.5%、2023年は3.0%、2024年は2.9%の成長が予測されています。
フィッチは、前回トルコについて、2022年の成長率を2.4%、2023年を3.2%と予測していました。
(画像:Photo by Mathieu Stern on Unsplash)
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