[ベトナム]フィッチ:ベトナムの2020年GDP成長率予測を上方修正3%

2020/07/02

[ベトナム]フィッチ:ベトナムの2020年GDP成長率予測を上方修正3%


経済のレジリエンス、政府のパンデミックへの対応能力、そして米中貿易戦争によるサプライチェーン移転の恩恵により、ベトナムは域内でもより早いリバウンドが望めそうです。


フィッチグループの子会社フィッチ・ソリューションズは、ベトナムの2020年GDP成長率予測を以前の2.8%から3%へ上方修正しました。


ベトナム統計総局(GSO)は、2020年第2四半期の実質GDP成長率を0.4%と見込んでいます。第1四半期の3.7%からさらに下がって、2000年以来の最低レベルとなりました。


▼実質GDP成長率と各産業の貢献


2020年4月に行われた厳しいCovid-19感染拡大抑制策により、第2四半期の低迷はすでに予想がされていたものです。


ベトナムの2020年前半期、実質GDP成長率は前年同期比1.8%となりました。第2四半期の成長率が伸び悩んだのは、製造業の急激な減速と、サービス業の落ち込みです。


▼ベトナム第二次産業のGDP成長率(前年同期比)


ベトナムは国内のコロナの封じ込めに成功したとみられており、フィッチ・ソリューションズは、製造業、サービス業ともに今年後半は回復のステージに入るとみています。世界的な景気後退の中、外需の不振により、製造業の回復は頭打ちとなるでしょう。一方で、6月25日に発表されたフック首相の声明では、当面のところ入国が認められるのは、「外国人の専門家や高技術人材、投資家など」のみとなっており、リテール、宿泊施設、ケータリング(ホスピタリティ)、交通機関などの観光関連サービスの回復にはまだ時間がかかりそうです。


フィッチソリューションズは、GDPの35%を占める「工業・建設業」については今年後半でいくらか回復することを見込んでいます。工業の成長率は第2四半期、第1四半期の5.1%から大幅に落ち込んで0.7%となりました。


GDPの17%を占めるサブセクター、製造業の成長率は、ベトナムが4月に実施したロックダウンの影響で、第1四半期の7.1%から3.2%へと減速しました。しかし、ベトナムのロックダウンが4月23日に緩和され、今年後半には盛り返すとみられています。


▼ベトナム月別工業生産変動率(前年同期比)


工業生産の成長率はすでに回復の兆しを見せており、今後もその流れを保つものと見られています。特に、EU-ベトナム自由貿易協定(EVFTA)が2020年8月に発効したら、輸出の生産活動を後押しするでしょう。


建設業の成長率は、第1四半期が4.2%、第2四半期が4.6%と安定的でした。フィッチ・ソリューションズは、政府の公共インフラの強化が後半期の建設業を支えるものと予想しています。


6月、国会は南北高速道路の東ルートプロジェクトのもと、3つの工事の資金調達法を、官民パートナーシップから公共投資へと切り替えることを承認しました。これらのプロジェクトの加速を意図してのものとみられています。


▼ベトナムサービス業GDP成長率(前年同期比)


フィッチ・ソリューションズは、GDPの42%を占めるサービス業も後半期でいくから回復すると見込んでいます。サービス業は、第1四半期の3.3%からさらに落ち込んで第2四半期で1.8%のマイナス成長となりました。この主な要因は、4月のロックダウンと、壊滅的な旅行業界が、リテール、ホスピタリティ、輸送・倉庫サービスに影響を与えたことによります。旅行業はGDPの9.2%を占めています。外国人観光客の入国禁止が続くことで、合計でGDPの17%を占めるこれらのサブセクターはさらに急激な落ち込みを見せるでしょう。


Covid-19ショックによる所得の減少から消費者の買い控えが起こり、これらのサブセクターの回復は妨げられそうです。一方で、海外への渡航制限も続いており、ワクチンができるまでは消費者も感染を懸念して海外旅行を控える動きが予想されることから、国内観光を活性化をすることで、これらのセクターの損失を緩和するのに役立つかもしれません。


最後に、フィッチ・ソリューションズは、GDPの14%を占める農業、林業そして漁業の成長については横ばいと予想しています。


(出所:Hanoi Times

(トップ画像:Image by mohamed Hassan from Pixabay)